第115回 看護師国家試験 午前 問78 解説
📝 問題
子宮頸癌で異常に増殖するのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 子宮頸癌で異常に増殖するのは扁平上皮細胞である。
子宮頸部は、腟側が扁平上皮、頸管側が円柱上皮で覆われている。その境目(扁平円柱上皮境界)が、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染しやすい場所である。
そこからHPVの持続感染 → 異形成(前がん病変) → 扁平上皮癌という順に進む。 子宮頸癌のおよそ7割にHPV16型・18型が関与するとされ、近年は腺癌の割合も増えている。
- 1
子宮筋細胞不正解
子宮筋細胞(平滑筋)の増殖は子宮筋腫など筋原性の腫瘍であり、上皮からできる子宮頸癌の由来細胞ではない。
- 2
神経芽細胞不正解
神経芽細胞から生じるのは小児の神経芽腫で、副腎髄質や交感神経節に好発する。
- 3
線維芽細胞不正解
線維芽細胞から生じるのは線維腫・線維肉腫などの間葉系腫瘍である。
- 4
平滑筋細胞不正解
平滑筋細胞の腫瘍は子宮筋腫や平滑筋肉腫であり、子宮頸癌とは別の組織型である。
- 5
扁平上皮細胞正解
正しい。子宮頸部は扁平上皮に覆われ、HPVの持続感染から異形成を経て扁平上皮癌が生じる。
📚 混同しやすいので注意
子宮頸癌と子宮体癌は、名前は似ていても由来する細胞も原因も検診のしかたも別物。
| 項目 | 子宮頸癌 | 子宮体癌 |
|---|---|---|
| 好発年齢 | 30〜40歳代(若年化) | 50〜60歳代(閉経後) |
| 主な組織型 | 扁平上皮癌 | 類内膜癌(腺癌) |
| 主な原因・危険因子 | HPVの持続感染、喫煙、性交開始年齢が早い | エストロゲンの過剰、肥満、未経産、糖尿病 |
| 対策型検診 | 20歳以上・2年に1回の細胞診 | 対策型検診はない |
| 主な症状 | 不正性器出血、接触出血、帯下の増加 | 閉経後の不正性器出血 |
| 一次予防 | HPVワクチン(小6〜高1相当の女子が定期接種) | 肥満・生活習慣の是正 |
参考: 子宮頸癌治療ガイドライン(日本婦人科腫瘍学会)/厚生労働省 がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について