第111回 看護師国家試験 午後 問78 解説
📝 問題
股関節を屈曲させるのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 股関節を屈曲させる主要な筋は腸腰筋である
腸腰筋(大腰筋と腸骨筋の総称)は股関節を屈曲させる最も主要な筋である。大腰筋は腰椎から、腸骨筋は腸骨窩から起こり、ともに大腿骨の小転子に停止し、大腿を前方に持ち上げる(股関節屈曲)作用をもつ。 正解は腸腰筋である。
大腿二頭筋はハムストリングスの一つで、膝関節の屈曲と股関節の伸展を行う。大殿筋は股関節の伸展・外旋の主力筋。中殿筋・小殿筋は股関節の外転を担い、歩行時の骨盤の安定(トレンデレンブルグ徴候に関与)に重要である。いずれも股関節の屈曲筋ではない。
覚え方: 「股関節を曲げる(もも上げ)=腸腰筋」「大殿筋は伸展、中・小殿筋は外転」。国試では股関節周囲筋の作用(屈曲・伸展・外転・内転)と代表筋の組合せが頻出。腸腰筋は歩行・立ち上がりに不可欠で、高齢者の筋力低下・転倒予防にも関連する。
小転子とは
大腿骨の付け根の内側にある小さな出っぱり。ここに腸腰筋が付き、引かれることで股関節が曲がる。
- 1
大腿二頭筋不正解
大腿二頭筋は膝関節屈曲と股関節伸展を担い、股関節屈曲筋ではない。
- 2
大殿筋不正解
大殿筋は股関節の伸展・外旋の主力筋で、屈曲筋ではない。
- 3
中殿筋不正解
中殿筋は股関節の外転を担い、骨盤の安定に関与する。屈曲筋ではない。
- 4
小殿筋不正解
小殿筋も股関節の外転筋であり、屈曲筋ではない。
- 5
腸腰筋正解
腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)は股関節を屈曲させる最も主要な筋である。
📚 これとセットで理解しよう
中殿筋が麻痺・筋力低下すると、患側で片脚立ちしたときに反対側の骨盤が下がる。これをTrendelenburg〈トレンデレンブルグ〉徴候という。
- 腸腰筋は歩行時のもも上げ(遊脚)や起き上がりに働く。加齢で衰えるとすり足になりつまずき・転倒の原因となる。
- 大腿二頭筋を含むハムストリングスは、股関節伸展と膝関節屈曲を同時に担う二関節筋。
| 運動 | 主な筋 |
|---|---|
| 屈曲 | 腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)、大腿直筋 |
| 伸展 | 大殿筋、ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋) |
| 外転 | 中殿筋、小殿筋 |
| 内転 | 内転筋群(大内転筋・長内転筋など) |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について