第111回 看護師国家試験 午前 問83 解説
📝 問題
タイムアウトによって予防できるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ タイムアウトによって予防できるのは患者の誤認である
タイムアウトは、手術や侵襲的な処置を始める直前に、チーム全員がいったん手を止めて患者氏名・術式・手術部位・体位を声に出して確かめる手順である。これで防げるのは、患者の取り違えと手術部位の間違いである。
他の選択肢は別の対策で防ぐ。抗癌薬の曝露は閉鎖式の接続器具と防護具、個人情報の漏洩は情報管理とアクセス制限、ベッドからの転落は転倒転落の評価と環境整備、血液を媒介とする感染は標準予防策と針刺し防止で予防する。
標準予防策とは
すべての人の血液・体液・分泌物・排泄物・傷のある皮膚・粘膜を、感染の恐れがあるものとして扱う考え方。手指衛生と、手袋・マスクなどの防護具が柱になる。
- 1
患者の誤認正解
タイムアウトは患者・術式・手術部位を最終確認する手順であり、患者誤認や部位間違いを防止する。
- 2
抗癌薬の曝露不正解
抗癌薬の曝露は閉鎖式器具や防護具など曝露対策で予防するもので、タイムアウトの目的ではない。
- 3
個人情報の漏洩不正解
個人情報の漏洩は情報管理・アクセス制限で防ぐものであり、タイムアウトとは無関係である。
- 4
ベッドからの転落不正解
ベッドからの転落は転倒転落アセスメントと環境整備で予防するものである。
- 5
血液を媒介とする感染不正解
血液を媒介とする感染は標準予防策・針刺し防止策で予防するものである。
📚 ここも一緒におさえておこう
WHO手術安全チェックリストは、手術を3つの区切りに分けて確認する。サインイン(麻酔導入前)・タイムアウト(皮膚切開前)・サインアウト(患者退室前)で、どの区切りで何を確かめるかを入れ替えて問われる。タイムアウトは執刀直前の最終確認にあたる。
- 患者誤認防止の基本=本人にフルネームと生年月日を名乗ってもらう、リストバンドと2つ以上の識別子で照合する。ベッドネームや部屋番号だけで判断しない。
- 手術部位間違いの防止には、術前の部位マーキング(本人が覚醒しているうちに、本人と一緒に確認)が有効。
- サインアウトでは器械・ガーゼ・針のカウント、検体のラベル確認などを行う。
- 医療安全では、誤りが起きても事故に至らなかったインシデント(ヒヤリ・ハット)の報告と分析が再発防止の基盤になる。
参考: WHO手術安全チェックリスト
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について