第111回 看護師国家試験 午前 問26 解説
📝 問題
正常な心臓で心拍出量が減少するのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 正常な心臓で心拍出量が減少するのは大動脈圧の上昇(後負荷の増大)である。
心拍出量は「1回拍出量×心拍数」で決まり、1回拍出量は前負荷・後負荷・心収縮力の3つで変わる。 大動脈圧が上がると、左心室が血液を押し出すときの抵抗(後負荷)が大きくなる。心臓は押し出しにくくなり、1回拍出量が減って心拍出量も減る。
他の選択肢はいずれも心拍出量を増やす向きに働く。とくに静脈還流量の増加は前負荷を高め、フランク・スターリングの法則によって1回拍出量を増やす。
フランク・スターリングの法則とは
心室に血液が多く入って心筋が引き伸ばされるほど、心臓は強く収縮して多くの血液を送り出すという法則。
- 1
心拍数の増加不正解
心拍数の増加は(過度な頻脈でなければ)心拍出量を増加させる。
- 2
大動脈圧の上昇正解
大動脈圧上昇=後負荷増大により駆出抵抗が増し、1回拍出量が減って心拍出量が減少する。
- 3
静脈還流量の増加不正解
静脈還流量の増加は前負荷を高め、スターリングの法則で拍出量を増やす。
- 4
心筋収縮力の上昇不正解
心筋収縮力の上昇は1回拍出量を増加させ、心拍出量を増やす。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
心拍出量は「前負荷・後負荷・収縮力・心拍数のどれが動いたか」を当てる形で問われる。入口(前負荷)が増えれば出る量は増え、出口(後負荷)がきつくなれば減る、と向きで覚えよう。
- 成人安静時の心拍出量はおよそ5L/分(1回拍出量約70mL×心拍数約70/分)。
- 前負荷=心室拡張末期の容積・伸展度。静脈還流量で決まり、増えると拍出量が増える。
- 後負荷=駆出時に心室が対抗する抵抗。大動脈圧・末梢血管抵抗が上がると拍出量は減る。
- 極端な頻脈では拡張期が短くなり充満が不十分になるため、かえって心拍出量は低下する。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について