第110回 看護師国家試験 午後 問88 解説
📝 問題
Aさん(53歳、男性、会社員)は、数日前から耳鳴、めまい、耳閉感が出現し、突発性難聴と診断され入院となった。副腎皮質ステロイド薬の投与で症状が改善したため退院することになった。入院前の生活習慣は、外食2回/週、飲酒(ビール700mL)/日、睡眠6時間/日、入浴1回/日、喫煙20本/日、散歩2回/週。退院後の生活で、Aさんが控えるべき事項はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・3
💡 解説
✅ 突発性難聴の再発予防のため、飲酒と喫煙を控える必要がある。
突発性難聴は内耳の血流障害やウイルス感染などが関与すると考えられ、内耳の循環を悪化させる生活習慣は避けることが望ましい。 Aさんの生活習慣のうち、飲酒(ビール700mL/日)と喫煙(20本/日)は内耳の血流を悪化させ、再発や回復の妨げとなりうる。 控えるべきは飲酒と喫煙である。
外食は塩分過多などの懸念はあるが、内耳障害と直接強く関連するわけではない。散歩は適度な運動として望ましく、入浴も一律に控える必要はない。 喫煙は血管収縮とニコチンによる血流障害を招き、飲酒も過量では循環や睡眠に悪影響を及ぼす。この2つの是正が指導のポイントとなる。
突発性難聴とは
ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなる原因不明の感音難聴。治療を早く始めるほど回復が見込める。
- 1
飲酒正解
過量の飲酒は内耳の血流や全身状態に悪影響を及ぼし、控えるべき事項である。
- 2
外食不正解
外食は塩分などの懸念はあるが、内耳障害と直接強く関連せず最優先の制限ではない。
- 3
喫煙正解
喫煙は血管収縮と血流障害を招き内耳の循環を悪化させるため、控えるべきである。
- 4
散歩不正解
散歩は適度な運動として問題なく、控える必要はない。
- 5
入浴不正解
入浴は一律に控える必要はない。
📚 ここも一緒におさえておこう
突発性難聴は原因不明で突然発症する感音難聴で、原則として一側性に起こる。 治療を始める時期と、予後が悪くなる条件がそのまま問われる。「早く始めるほどよい」が判断の軸になる。
- 治療の中心は副腎皮質ステロイドで、発症後できるだけ早期(目安として2週間以内)の開始が予後に関わる
- 高度難聴例やめまいを伴う例は予後が不良とされる
- 難聴の鑑別にはWeber(ウェーバー)試験・Rinne(リンネ)試験を用いる(感音難聴ではWeberは健側に偏る)
- めまい発作を繰り返す場合はメニエール病など他疾患を考える
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について