第110回 看護師国家試験 午前 問88 解説
📝 問題
尿管結石症の治療で適切なのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ 尿管結石症の治療には体外衝撃波砕石術と非ステロイド系抗炎症薬の投与が適切である
尿管結石症では、疝痛発作に対する疼痛管理と結石の除去・排出が治療の柱となる。 体外衝撃波砕石術(ESWL〈イーエスダブリューエル〉)は体外から衝撃波を当てて結石を破砕し、排出を促す標準的治療である。 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs〈エヌセイズ〉)は尿管の攣縮や炎症を抑え、疝痛発作の疼痛緩和に有効である。
他の選択肢は不適切である。尿路変更術は膀胱全摘後などに尿の排出路を変える手術である。血管拡張薬は結石の治療薬ではない。カルシウム製剤の投与は、シュウ酸カルシウム結石などカルシウムを含む結石が多いことを踏まえると、結石形成を助長しかねず治療として適切でない。
「疝痛=NSAIDsや鎮痙薬」「結石破砕=ESWL」と押さえておくとよい。
疝痛発作とは
差し込むような激しい痛みが、波のように強くなったり弱くなったりする発作。結石が尿管に詰まり、尿管が強く縮むことで起こる。
ESWL〈イーエスダブリューエル〉とは
体の外から衝撃波を当て、皮膚を切らずに結石を細かく砕く治療。砕けた石は尿と一緒に自然に出る。
- 1
尿路変更術不正解
尿路変更術は膀胱全摘後などの尿路再建術であり、尿管結石の治療ではない。
- 2
血管拡張薬の投与不正解
血管拡張薬は尿管結石の治療薬ではない。
- 3
カルシウム製剤の投与不正解
カルシウム含有結石が多いため、カルシウム製剤の投与は結石形成を助長しかねず適切でない。
- 4
体外衝撃波砕石術〈ESWL〉正解
ESWLは体外から衝撃波で結石を破砕し排出を促す標準的治療である。
- 5
非ステロイド系抗炎症薬の投与正解
NSAIDsは尿管の攣縮・炎症を抑え、疝痛発作の疼痛緩和に有効である。
📚 ここも一緒におさえておこう
尿路結石は、痛みの出かた・検査・再発予防の生活指導がひとまとまりで問われる。「出す・痛みを取る・作らせない」の3本立てで覚えよう。 尿路結石はシュウ酸カルシウム結石が最も多い。 疝痛発作は側腹部から下腹部・鼠径部へ放散する激痛で、血尿を伴うことが多い。
- 検査=尿潜血、腹部単純エックス線(尿酸結石は写りにくい)、超音波、CT
- 自然排石が期待できるのはおおむね長径10mm未満。1日2L以上の水分摂取と歩行などの運動で排石を促す
- 疼痛時はNSAIDs(坐薬・注射)や鎮痙薬を用いる。発熱を伴う場合は閉塞性腎盂腎炎を疑い緊急対応
- 再発予防=水分を十分にとる、シュウ酸の多い食品(ほうれん草・紅茶・チョコレート)は控えめに、カルシウムは適量摂取(腸管でシュウ酸と結合し吸収を減らすため制限しない)
- 動物性蛋白・塩分・糖分の摂りすぎと夕食後すぐの就寝は結石形成を助長する
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について