第110回 看護師国家試験 午前 問87 解説
📝 問題
労働者災害補償保険法に規定されているのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・5
💡 解説
✅ 労災保険には通勤災害の療養給付と業務上事故の介護補償給付が規定されている
労働者災害補償保険(労災保険)は、業務上および通勤による労働者の負傷・疾病・障害・死亡に対して保険給付を行う制度である。 通勤災害時の療養給付と、業務上の事故による介護補償給付は、いずれも労災保険法に規定されている。
他の選択肢は労災保険の給付ではない。失業時の教育訓練給付金は雇用保険の給付である。災害発生時の超過勤務手当は労働基準法に基づく賃金の問題である。有害業務従事者の健康診断(特殊健康診断)は労働安全衛生法に基づく事業者の義務である。
「労災保険=業務・通勤による傷病等への補償(療養・休業・障害・遺族・介護補償給付など)」と、雇用保険や労働安全衛生法との違いを押さえておくとよい。
介護補償給付とは
労災で重い障害が残り、常時または随時の介護を受けている人に、介護にかかった費用を補うため支給される給付。
特殊健康診断とは
有機溶剤・鉛・放射線など体に害のある業務に就く人へ、法律で義務づけられた健康診断。全員が受ける定期健康診断とは別に行う。
- 1
通勤災害時の療養給付正解
通勤災害時の療養給付は労災保険法に規定されている。
- 2
失業時の教育訓練給付金不正解
失業時の教育訓練給付金は雇用保険の給付である。
- 3
災害発生時の超過勤務手当不正解
超過勤務手当は労働基準法に基づく賃金の問題であり、労災保険の給付ではない。
- 4
有害業務従事者の健康診断不正解
有害業務従事者の健康診断(特殊健康診断)は労働安全衛生法に基づく事業者の義務である。
- 5
業務上の事故による介護補償給付正解
業務上の事故による介護補償給付は労災保険法に規定されている。
📚 混同しやすいので注意
労働に関する法律は、給付の名前だけを示して「これはどの法律のものか」と聞いてくる。給付名と法律名を組にして覚えよう。 労災保険の保険料は全額事業主負担で、通勤災害も給付の対象となる。 労災による療養は自己負担がない点が医療保険と異なる。
| 法律・制度 | 主な内容 |
|---|---|
| 労働者災害補償保険法 | 業務災害・通勤災害に対する療養(補償)給付、休業(補償)給付、障害給付、遺族給付、介護(補償)給付、傷病年金 |
| 雇用保険法 | 基本手当(失業給付)、教育訓練給付、育児休業給付、介護休業給付、高年齢雇用継続給付 |
| 労働基準法 | 労働時間・休憩・休日、割増賃金、産前産後休業、育児時間、危険有害業務の就業制限 |
| 労働安全衛生法 | 一般健康診断・特殊健康診断、ストレスチェック、産業医・衛生管理者の選任、安全衛生教育 |
参考: 労働者災害補償保険法
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について