第115回 看護師国家試験 午後 問85 解説
📝 問題
地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・2
💡 解説
✅ 施設系サービスも、老人クラブや自治会の活動も地域包括ケアシステムに含まれる。
地域包括ケアシステムとは、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けられるよう、住まい・医療・介護・介護予防・生活支援が一体的に提供される体制をいう。ここでいう「住まい」は自宅だけを指すのではなく、サービス付き高齢者向け住宅や介護老人福祉施設などの施設系サービスも含まれる。在宅と施設を対立させるのではなく、状態に応じて選べることが前提になっている。
また、支え手は専門職だけではない。老人クラブ・自治会・ボランティア・NPOといった住民同士の活動(互助)は、見守り・声かけ・配食・サロン活動などを通じて生活支援と介護予防の重要な担い手に位置づけられている。
圏域の単位はおおむね30分以内で必要なサービスが届く範囲、つまり中学校区である。 中核を担うのは市町村が設置する地域包括支援センターで、全国一律ではなく、地域の特性に応じてつくり上げる仕組みである。
- 1
施設系サービスを含む。正解
「住まいと住まい方」には、自宅のほかサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、そして介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院といった施設系サービスも含まれる。地域包括ケアシステムは在宅サービスだけの仕組みではない。
- 2
地域における老人クラブや自治会などの活動を含む。正解
老人クラブ・自治会・ボランティア・NPOによる見守り、サロン活動、配食、外出支援などは「生活支援・介護予防」の担い手として明確に位置づけられている。専門職による支援(共助・公助)だけでなく、住民同士の互助が不可欠とされる。
- 3
おおむね60分以内の日常生活圏域を単位として想定している。不正解
想定されているのは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域で、具体的には中学校区が単位として例示されている。60分ではない。
- 4
サービスのコーディネートを担う中核的な機関は都道府県である。不正解
中核となるのは市町村が設置する地域包括支援センターである。介護保険の保険者も市町村であり、都道府県は市町村への支援・広域調整・人材育成を担う立場になる。
- 5
地域特性に関わらず、同じサービスが受けられることを目指している。不正解
地域包括ケアシステムは全国一律の仕組みではない。高齢化の進み方や社会資源の状況は地域によって大きく異なるため、保険者である市町村や都道府県が地域の特性に応じて主体的につくり上げることとされている。
📚 国試でよく狙われるところ
- 5つの構成要素=①住まいと住まい方 ②医療・看護 ③介護・リハビリテーション ④保健・福祉(介護予防・生活支援)⑤本人・家族の選択と心構え。「植木鉢」の図では、鉢=住まい、土=介護予防・生活支援、葉=医療/介護/保健福祉、皿=本人の選択と心構えで表される
- 自助・互助・共助・公助=自助(自分のことは自分で/市場サービスの購入)、互助(住民同士の支え合い・ボランティア)、共助(介護保険・医療保険などの社会保険)、公助(税による生活保護・福祉サービス)
- 地域包括支援センターの4業務=総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメント。配置される3職種は保健師(または経験のある看護師)・社会福祉士・主任介護支援専門員
- 地域ケア会議は、個別事例の検討から地域の課題を見つけ、資源開発や政策形成につなげる場である(介護保険法に規定)
参考: 厚生労働省「地域包括ケアシステムの構築について」/介護保険法第115条の45〜第115条の48(地域支援事業・地域包括支援センター・地域ケア会議)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について