第115回 看護師国家試験 午後 問51 解説
📝 問題
成人の眼底光凝固療法において正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 眼底光凝固療法では、レーザー用のコンタクトレンズを角膜に装着して行う。
網膜光凝固(レーザー光凝固)は、糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・網膜裂孔などに対し、レーザーで網膜を凝固して新生血管の発生を抑えたり、裂孔の周囲を焼き付けて網膜剝離を防ぐ治療である。 眼底の狙った部位に正確にレーザーを当てるため、点眼麻酔ののちレーザー用のコンタクトレンズを角膜に装着し、レンズ越しに照射する。
実施前には散瞳薬を点眼して瞳孔を広げる(縮瞳ではない)。 切開を伴わない非観血的な外来処置であり、点眼麻酔で行うため、静脈麻酔も眼球表面の消毒も不要である。
- 1
縮瞳させる。不正解
眼底全体を観察してレーザーを照射するため、散瞳薬(トロピカミドなど)を点眼して瞳孔を広げる。縮瞳させると眼底が見えず治療できない。
- 2
静脈麻酔を行う。不正解
外来で実施できる処置であり、点眼麻酔(表面麻酔)で行う。患者は指示に従って視線を保つ必要があるため、意識のある状態で実施する。
- 3
眼球表面を消毒する。不正解
眼球を切開しない非観血的処置のため、眼球表面の消毒は行わない。消毒薬はかえって角膜上皮を障害するおそれがある。
- 4
レーザー用のコンタクトレンズを装着する。正解
角膜にレーザー用コンタクトレンズを装着することで、眼底の目的部位を観察しながらレーザーを正確に集光できる。装着前に点眼麻酔を行う。
📚 国試でよく狙われるところ
眼底光凝固は、適応となる病気と、治療の目的・前後の説明が入れ替えて問われる。「視力を戻す治療ではない」ことを軸に覚えよう。
- 適応=増殖糖尿病網膜症・増殖前網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜裂孔・円孔など
- 目的は視力の回復ではなく、進行を止めて残っている視機能を保つことである点を説明する
- 散瞳の効果は数時間続き、まぶしさと近くの見えにくさが残るため、当日の自動車運転は避ける
- 治療後に視力低下・視野欠損・眼痛・急な飛蚊症の増加があれば速やかに受診する
参考: 糖尿病網膜症診療ガイドライン(日本眼科学会)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について