第115回 看護師国家試験 午後 問33 解説
📝 問題
クリティカルシンキングの思考過程として適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ クリティカルシンキングは、情報を根拠に基づいて吟味し解釈する思考である。
クリティカルシンキング(批判的思考)は「相手を否定すること」ではなく、情報や自分自身の判断を鵜呑みにせず、根拠と論理に照らして吟味する思考のことである。看護過程のアセスメントでは、主観的情報(S)と客観的情報(O)を集め、思い込みや先入観を自覚したうえで、なぜそう解釈できるのかを説明できる形で結論に至る。 患者の情報を根拠に基づいて解釈することが、まさにこの過程にあたる。
誤りの選択肢は、いずれもクリティカルシンキングの対極にある態度である。希望をそのまま受け入れるのは無批判、言葉を否定的にとらえるのは偏った受け止め、看護師の看護観を基に分析するのは自分の価値観を判断の物差しにしてしまう点で、根拠に基づく解釈から外れる。
- 1
患者の希望を受け入れる。不正解
患者の希望を知ることは重要だが、そのまま無批判に受け入れるのは吟味を欠く。希望の背景にある思い、実現可能性、安全性を情報と根拠に照らして検討する過程こそがクリティカルシンキングである。
- 2
患者の言葉を否定的にとらえる。不正解
批判的思考の「批判」は否定という意味ではない。患者の言葉を疑ってかかる態度はかえって偏りを生み、必要な情報を取りこぼして信頼関係も損なう。
- 3
患者の情報を根拠に基づいて解釈する。正解
得られた情報を根拠に基づいて解釈し、結論に至る道筋を他者に説明できるようにすることがクリティカルシンキングの中核である。看護過程のアセスメント段階で最も要求される思考でもある。
- 4
患者の思いを看護師の看護観を基に分析する。不正解
看護師個人の看護観や価値観を分析の物差しにすると、判断が主観に引きずられる。自分の前提や価値観を自覚していったん脇に置き、根拠に立ち返るのが批判的思考の態度である。
📚 ここも一緒におさえておこう
看護過程は5段階を循環する。段階の名前と中身を入れ替えて問われるので、順番とセットで覚えよう。 クリティカルシンキングはとくにアセスメントと評価の場面で働く。
- アセスメント=情報収集と解釈・分析(S情報とO情報を統合する)
- 看護診断=患者の反応としての健康問題を明確にする
- 計画立案=期待される成果(看護目標)の設定と具体策の決定
- 実施=計画の実行と、そのときの患者の反応の観察
- 評価=目標の達成度を判定し、計画を継続・修正・終了する
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について