第115回 看護師国家試験 午後 問21 解説
📝 問題
筋肉内注射を行う部位で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 筋肉内注射の部位として適切なのは三角筋。
筋肉内注射は、太い神経や血管を避けられて十分な筋量がある部位を選ぶ。 成人でよく用いられるのは三角筋と中殿筋である。
三角筋では肩峰から3横指(約5 cm)下を目安に上腕外側の筋腹をとり、皮膚に対して45〜90度で刺入する。 近年は、肩峰の中央から下ろした線と、前後の腋窩ひだの上縁を結んだ線が交わるあたりを目安にする取り方も、より安全な方法として勧められている。どちらの取り方でも、三角筋に注射する点は変わらない。
中殿筋ではクラークの点(上前腸骨棘と上後腸骨棘を結ぶ線を3等分した前方1/3の点)やホッホシュテッターの部位を用いる。
大殿筋は直下を坐骨神経が走るため原則として用いない。上腕二頭筋は筋量が乏しく血管・神経が近い。 大腿では後面の大腿二頭筋ではなく、前外側の外側広筋を用いる(乳幼児の第一選択)。
- 1
三角筋正解
正しい。上腕外側の筋腹が厚く、橈骨神経や上腕動脈から離れているため安全に刺入できる。
- 2
大殿筋不正解
直下を坐骨神経が走り、損傷すると下肢のしびれや麻痺を残す。殿部で用いるのは中殿筋(クラークの点など)である。
- 3
上腕二頭筋不正解
上腕前面で筋量が乏しく、正中神経・尺骨神経や上腕動脈が近いため適さない。
- 4
大腿二頭筋不正解
大腿後面で坐骨神経の走行域にあたる。大腿で選ぶなら前外側の外側広筋である。
📚 国試でよく狙われるところ
注射は、方法ごとの刺入角度と部位を入れ替えて問われる。 表で角度と部位を対にして覚え、避ける部位はその理由まで押さえよう。
- 三角筋の目安は肩峰から3横指下。低すぎると橈骨神経損傷、深すぎると骨に当たる
- 乳幼児の筋肉内注射は大腿前外側部(外側広筋)が第一選択
- 刺入後は血液の逆流がないことを確認してから薬液を注入する
| 方法 | 刺入角度 | 主な部位 | 針の太さ(目安) |
|---|---|---|---|
| 皮内注射 | ほぼ水平(0〜10度) | 前腕内側 | 26〜27G |
| 皮下注射 | 10〜30度 | 上腕後側、腹部、大腿前外側 | 24〜27G |
| 筋肉内注射 | 45〜90度 | 三角筋、中殿筋、外側広筋 | 21〜23G |
| 静脈内注射 | 15〜20度 | 肘正中皮静脈など | 21〜23G |
参考: 系統看護学講座 基礎看護学 基礎看護技術
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について