第115回 看護師国家試験 午後 問16 解説
📝 問題
糸球体濾過機能を評価する項目はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 糸球体濾過機能の指標はクレアチニンクリアランス。
クレアチニンクリアランス(Ccr)は、1分間に何mLの血漿からクレアチニンが完全に取り除かれたかを表す値で、糸球体濾過量(GFR)の近似指標として用いられる。 クレアチニンは筋肉由来の老廃物で、ほぼ糸球体で濾過され尿細管でほとんど再吸収されないため、この目的に適している。基準値はおよそ90〜120 mL/分で、実測には24時間蓄尿と同時採血が必要である。
日常臨床では、血清クレアチニン値・年齢・性別から計算するeGFRが広く使われ、慢性腎臓病(CKD)の重症度分類(G1〜G5)にも用いられる。
- 1
アミラーゼ不正解
膵臓と唾液腺に由来する消化酵素。上昇すれば急性膵炎や唾液腺の病気を疑う(腎排泄のため腎不全でも上がりうるが、糸球体濾過機能の評価には使わない)。
- 2
トロポニン不正解
心筋に特異的な蛋白(トロポニンT・I)。心筋梗塞など心筋傷害のマーカーであり、腎機能とは無関係。
- 3
γ-GTP〈γ-GT〉不正解
肝・胆道系の酵素。アルコール性肝障害や胆汁うっ滞で上昇する。腎機能の評価には用いない。
- 4
クレアチニンクリアランス正解
正しい。糸球体濾過量を反映し、腎機能の評価や腎排泄型薬剤の用量調整に使われる。
📚 ここも一緒におさえておこう
腎機能は、検査の意味だけでなく、どこから慢性腎臓病とするか・薬をどう減らすかまで続けて問われる。
- 慢性腎臓病〈CKD〉は、蛋白尿などの腎障害、またはGFR 60 mL/分/1.73m²未満が3か月以上続く状態をいう
- 腎排泄型の薬剤(ジゴキシン、一部の抗菌薬など)は腎機能に応じた減量が必要
| 検査 | 意味・特徴 |
|---|---|
| 血清クレアチニン(Cr) | 筋肉量の影響を受ける。GFRが半分程度まで低下してから上昇し始める |
| eGFR | 血清Cr・年齢・性別から推算。CKDの重症度分類に使用 |
| クレアチニンクリアランス | 24時間蓄尿で実測。GFRをやや過大評価する |
| 尿素窒素(BUN) | 脱水・消化管出血・高蛋白食でも上昇。BUN/Cr比が鑑別に有用 |
| シスタチンC | 筋肉量の影響を受けにくく、早期の腎機能低下を捉えやすい |
参考: 日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について