第115回 看護師国家試験 午前 問73 解説

一般基礎看護学✔ 監修済み

📝 問題

4人部屋に入院中のAさん(外国籍)は3日後に手術予定である。Aさんは1日3回、決まった時間に毎日病室でお祈りをしている。看護師が訪室したところ、同室のBさんから「お祈りの声が気になってゆっくり休めない」と相談された。看護師の対応で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 宗教的習慣を尊重しつつ同室者の療養環境も守るため、病室とは別に祈りの場所を用意するのが適切である。

看護には文化的・宗教的背景を尊重する責務と、ほかの患者の療養環境を守る責務の両方がある。この問題は、その2つをどう同時に成り立たせるかを問うている。

祈りをやめさせるのでもなく、訴えたBさんに我慢や転室を求めるのでもなく、病室とは別の静かな場所(面談室・多目的室など)を用意する。そうすればAさんの信仰の実践とBさんの休息が両方かなう。

  • 1

    Bさんに有料個室への転室を勧める。不正解

    有料個室への転室はBさんに経済的負担を負わせる対応であり、困りごとを訴えた側に不利益を強いることになる。

  • 2

    Aさんにお祈りは手術当日に行うよう説明する。不正解

    1日3回、決まった時間に行う宗教的習慣を制限する提案であり、信仰の尊重に反する。手術当日への変更も現実的でない。

  • 3

    同室者全員に病室の環境のアンケート調査を行う。不正解

    全員への調査は環境の実態把握にはなるが、AさんとBさんの当面の困りごとは解決しない。

  • 4

    Aさんに病室とは別にお祈りのための場所を準備する。正解

    正しい。静かな別室を用意すれば、文化的配慮と療養環境の調整を同時に満たせる。

📚 ここも一緒におさえておこう

外国籍・異文化背景をもつ患者では、言語だけでなく生活習慣や価値観への配慮が要る。 思い込みで決めつけず、本人に直接確認するのが原則。

  • 食事=豚肉・アルコール・特定の肉の禁忌、ハラールや菜食への対応。
  • 宗教行事=祈りの時刻と方向、断食(ラマダーン)と服薬・検査時間の調整。
  • 医療行為=輸血の拒否、同性の医療者を希望する場合への配慮。
  • 説明と同意=医療通訳や多言語資料の活用(家族に通訳させない配慮)。
  • 死後の処置=宗教ごとに作法があるため、事前に家族へ確認する。

参考: 日本看護協会 看護職の倫理綱領/厚生労働省 外国人患者を受け入れる医療機関のための対応マニュアル

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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