第115回 看護師国家試験 午前 問58 解説
📝 問題
Aさん(70歳)は脳梗塞の後遺症で片麻痺があり、要支援2と認定された。杖で歩行しており、尿意はある。リハビリテーション病院から介護施設に入所することになった。Aさんの排泄に関する支援で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 杖歩行ができ尿意もあるため、滑り止めのついた靴で転倒を防ぎ、トイレでの排泄を続ける支援が最も適切。
Aさんは尿意があり、杖で歩ける。 支援の方向は「トイレでの自立した排泄を続けられるようにする」ことになる。
そのために最も大切なのが移動の安全確保である。片麻痺があるうえ、入所したばかりで環境にも慣れていないため転倒リスクは高い。かかとを覆い、滑り止めのついた靴を履くことが、転倒予防に直結する。
- 1
一定の時間間隔で排尿誘導を行う。不正解
時間を決めた排尿誘導は、尿意を自分で訴えられない人に用いる方法。尿意のあるAさんには不要で、本人のタイミングでの排泄を妨げてしまう。
- 2
ベッドサイドにポータブルトイレを設置する。不正解
杖歩行ができる人にポータブルトイレを常設すると、歩く機会を奪って廃用を進め、自尊心も損なう。夜間だけの併用など、必要性を検討したうえで判断する。
- 3
トイレの場所がわかりやすいように目印をつける。不正解
トイレの場所に目印をつけるのは、認知機能の低下で場所の見当識が保てない人への支援。Aさんに認知症を示す情報はない。
- 4
トイレ移動時は滑り止めのついた靴を履くように指導する。正解
正しい。片麻痺があり慣れない環境を移動するため転倒リスクが高い。滑り止めのついた靴は転倒予防に直結する。
📚 ここも一緒におさえておこう
排泄の支援は「できないことを補う」より先に、「今できていることを守る」から考える。
- 高齢者の転倒予防=かかとを覆う滑り止め付きの靴、丈の合った衣類、手すりの設置、段差の解消、夜間の足元灯、睡眠薬・降圧薬など転倒リスクのある薬の見直し。
- 要支援1・2の人の介護予防サービス計画は地域包括支援センターが作成する。
- 排泄の自立は自尊心の維持に直結する。「できること」を奪わない支援が原則になる。
参考: 介護保険法(介護予防支援・要支援者のケアマネジメント)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について