第115回 看護師国家試験 午前 問32 解説
📝 問題
廃棄物とその処理に関する記述で正しいのはどれか。
- 1産業廃棄物は都道府県の責任で処理される。
- 2在宅医療に伴う廃棄物は医療廃棄物として取り扱う。
- 3事業活動に伴って生じる廃棄物は全て産業廃棄物として取り扱う。
- 4使用済みの注射針は、専用廃棄容器を用いれば一般廃棄物とすることができる。
✅ 正解
出題時の取り扱いにより採点対象外(正答なし)とされた問題です。
💡 解説
✅ 4つの記述はいずれも正しいとはいえず、本問は採点除外(採点対象から除外)となった。
本問は厚生労働省が採点除外とした問題で、正解となる選択肢は設定されていない。選択肢を1つずつ検討すると、いずれも廃棄物処理法や在宅医療廃棄物の取扱いの考え方と合致しない。
産業廃棄物は排出した事業者の責任で処理するのが原則(排出事業者責任)であり、都道府県は許可や指導監督を行う立場である。また、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち法令が定める20種類(燃え殻・汚泥・廃油・廃プラスチック類など)だけが産業廃棄物で、それ以外は事業系一般廃棄物として扱われる。医療機関で使用した注射針は感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)にあたり、専用容器に入れても一般廃棄物にはならない。
一方、在宅医療に伴って生じる廃棄物は、医療機関から出る感染性廃棄物とは扱いが異なり、環境省の考え方では原則として一般廃棄物として市町村が処理し、注射針など鋭利なものは医療機関等での回収が望ましいとされる。このため「在宅医療に伴う廃棄物は医療廃棄物として取り扱う」と一律に言い切ることもできず、正解が一つに定まらない設問となっている。
- 1
産業廃棄物は都道府県の責任で処理される。不正解
産業廃棄物は排出事業者の責任で処理する(排出事業者責任)。
- 2
在宅医療に伴う廃棄物は医療廃棄物として取り扱う。不正解
在宅医療に伴う廃棄物は、環境省の考え方では原則として一般廃棄物として市町村が処理する。鋭利なもの(注射針など)は医療機関等での回収が望ましいとされ、一律に「医療廃棄物」として扱うとは言えない。
- 3
事業活動に伴って生じる廃棄物は全て産業廃棄物として取り扱う。不正解
事業活動に伴う廃棄物のうち、法令で定める20種類のみが産業廃棄物。事業所から出る紙くずや生ごみなどは事業系一般廃棄物であり、「全て産業廃棄物」ではない。
- 4
使用済みの注射針は、専用廃棄容器を用いれば一般廃棄物とすることができる。不正解
医療機関で使用した注射針は感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)で、専用の耐貫通性容器に入れても一般廃棄物にはならない。
📚 関連知識
- 感染性廃棄物の容器に付けるバイオハザードマークの色分け=赤:液状・泥状(血液等)/橙:固形状(血液等が付着したガーゼ等)/黄:鋭利なもの(注射針・メス)
- 感染性廃棄物を委託処理する際はマニフェスト(産業廃棄物管理票)で最終処分までを確認する
| 区分 | 主な例 | 処理の責任 |
|---|---|---|
| 一般廃棄物 | 家庭ごみ、事業系一般廃棄物(紙くず・生ごみ等) | 市町村 |
| 産業廃棄物 | 事業活動に伴う法定20種類(廃プラスチック類・汚泥・廃油等) | 排出事業者 |
| 特別管理一般廃棄物 | 感染性一般廃棄物(血液の付着したガーゼ・脱脂綿等) | 排出事業者(医療機関等) |
| 特別管理産業廃棄物 | 感染性産業廃棄物(注射針・メス・血液・輸血用血液製剤等) | 排出事業者(医療機関等) |
参考: 廃棄物の処理及び清掃に関する法律/環境省「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」/環境省「在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について