第115回 看護師国家試験 午前 問28 解説
📝 問題
膀胱壁の蓄尿反射を引き起こす刺激はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 膀胱壁の伸展(伸展受容器の刺激)が蓄尿反射を起こす。
膀胱に尿がたまると膀胱壁が伸展し、壁の中の伸展受容器がこれを感知する。ここが蓄尿反射・排尿反射の出発点になる。
この情報は骨盤神経を通って仙髄・橋の排尿中枢へ届く。蓄尿期は交感神経が優位になって尿をため、排尿するときは副交感神経が優位に切り替わる。
尿量が150〜250mLで尿意を感じ、300〜500mLで強い尿意になる。
- 1
圧迫不正解
外から膀胱を押して排尿を促す方法(用手膀胱圧迫法・クレーデ法)はあるが、腹圧による他動的な排出で、生理的な刺激ではない。
- 2
痛み不正解
膀胱の痛みは膀胱炎や結石で生じるもの。むしろ頻尿・尿意切迫感を招き、正常な蓄尿を妨げる。
- 3
温度不正解
膀胱壁に温度受容器はない。微温湯や温罨法で排尿が促されるのは皮膚刺激とリラクセーションによる効果である。
- 4
伸展正解
正しい。尿がたまることによる膀胱壁の伸展が、蓄尿反射・排尿反射の出発点になる。
📚 これとセットで理解しよう
蓄尿と排尿は、3本の神経の働きがそっくり逆になるだけ。対にして覚えると混乱しない。 尿量と回数の基準値、障害されたときの型もあわせて問われる。
- 1日の正常尿量は1,000〜1,500mL。
- 400mL/日未満が乏尿、100mL/日未満が無尿、2,500〜3,000mL/日以上が多尿。
- 排尿回数の目安は日中4〜6回・夜間0〜1回。1日8回以上が頻尿、残尿100mL以上は排尿障害を疑う。
- 神経因性膀胱は、仙髄より上位の障害で反射性(過活動)膀胱、仙髄や末梢神経の障害で弛緩性膀胱となり尿閉・溢流性尿失禁を生じる。
| 神経 | 髄節 | 働き |
|---|---|---|
| 下腹神経(交感) | T11〜L2 | 排尿筋を弛緩+内尿道括約筋を収縮=ためる |
| 骨盤神経(副交感) | S2〜S4 | 排尿筋を収縮+内尿道括約筋を弛緩=出す |
| 陰部神経(体性) | S2〜S4 | 外尿道括約筋を随意的に収縮=がまんする |
参考: 日本排尿機能学会「下部尿路症状の診療ガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について