第115回 看護師国家試験 午前 問27 解説
📝 問題
痛みの伝導で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 痛覚は視床で三次ニューロンに乗り換える。
痛覚はこの順に伝わる。 ・末梢の侵害受容器 → 一次ニューロン(Aδ線維・C線維) ・脊髄後角で二次ニューロンに乗り換え、その場で反対側へ交叉して外側脊髄視床路を上行 ・視床(後外側腹側核)で三次ニューロンに乗り換え ・大脳皮質の体性感覚野へ
押さえどころは、視床は嗅覚を除くすべての感覚の中継核だということ。
- 1
一次ニューロンは運動ニューロンよりも伝導速度が速い。不正解
逆である。痛覚を伝えるのは細いAδ線維(5〜30m/秒)と無髄のC線維(0.5〜2m/秒)で、太い運動線維(70〜120m/秒)よりずっと遅い。
- 2
刺激を受けた側と同側の脊髄を上行する。不正解
痛覚・温度覚は脊髄後角で乗り換えた直後に交叉し、反対側の外側脊髄視床路を上行する。同側を上行するのは後索路。
- 3
延髄で次の神経細胞とシナプスを作る。不正解
延髄で乗り換えるのは後索-内側毛帯路(識別性触覚・振動覚・深部感覚)。痛覚はすでに脊髄後角で乗り換えている。
- 4
視床で次の神経細胞とシナプスを作る。正解
正しい。視床で三次ニューロンにシナプスを作り、大脳皮質の体性感覚野へ送られる。
📚 混同しやすいので注意
乗り換えと交叉の位置は、感覚の種類で違う。 痛覚・温度覚は脊髄、触圧覚・深部感覚は延髄。
- Brown-Séquard(ブラウン・セカール)症候群(脊髄半側切断)=損傷側で運動麻痺と深部感覚障害、反対側で痛覚・温度覚の脱失。交叉の位置の違いから説明できる。
- ゲートコントロール説=太い線維(触覚)の入力が脊髄後角で痛みの伝達を抑える。さすると痛みが和らぐ、TENS(テンス、経皮的電気刺激)が効くのはこのため。
| 伝導路 | 伝える感覚 | 二次ニューロンへの乗り換え | 交叉部位 |
|---|---|---|---|
| 外側脊髄視床路 | 痛覚・温度覚 | 脊髄後角 | 脊髄 |
| 前脊髄視床路 | 粗大な触圧覚 | 脊髄後角 | 脊髄 |
| 後索-内側毛帯路 | 識別性触覚・振動覚・深部感覚 | 延髄(薄束核・楔状束核) | 延髄 |
参考: 日本ペインクリニック学会「痛みの基礎知識」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について