第115回 看護師国家試験 午前 問2 解説
📝 問題
警察庁の「令和4年中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 自殺の原因・動機で最も多いのは「健康問題」
警察庁「令和4年中における自殺の状況」で、自殺者数は21,881人(前年より874人増加)。原因・動機が特定された事案のうち、健康問題が突出して多く、計上された原因・動機のおよそ4割を占める。うつ病などの精神疾患の悩みと、身体の病気の悩みが中心である。
健康問題に次いで「家庭問題」「経済・生活問題」が近い件数で並び、「勤務問題」はそれらより少ない。なお令和4年統計から計上方法が変わり、遺書などの資料に基づき自殺者1人につき最大4つまでの原因・動機を計上できるようになったため、件数の合計は自殺者数を上回る。日本では15〜39歳の各年代で死因の第1位が自殺である点が、他の先進国と比べた特徴として重要。
- 1
家庭問題不正解
家庭問題(家族の不和、介護・看病疲れ、子育ての悩みなど)は上位ではあるが、健康問題の半分以下にとどまる。
- 2
勤務問題不正解
勤務問題(仕事の失敗、職場の人間関係、過重労働)は4つの選択肢のなかでは件数が少ない。ただし働き盛りの男性では比重が大きく、過労自殺は労災認定の対象になる。
- 3
健康問題正解
正しい。健康問題が一貫して最多で、なかでもうつ病を含む精神疾患の悩みが大きな比重を占める。
- 4
経済・生活問題不正解
経済・生活問題(生活苦・多重債務・失業)は、平成10年前後や不況期に比重が高まったが、近年は健康問題が一貫して最多である。
📚 関連知識
- 自殺対策基本法(平成18年)により、国・都道府県・市町村に自殺対策計画の策定が義務づけられた。
- 現行の自殺総合対策大綱(令和4年10月閣議決定)は、子ども・若者、女性、勤務問題への対策強化を重点に掲げている。
- 身近な人の変化に気づき、声をかけ、話を聴き、必要な支援につなぐ役割を担う人をゲートキーパーという。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自殺者数 | 21,881人(男性14,746人・女性7,135人) |
| 男女比 | 男性が女性の約2倍 |
| 原因・動機 | 「健康問題」が最多 |
| 小中高生 | 514人で過去最多 |
| 死因順位 | 15〜39歳の各年代で死因第1位 |
| 過去のピーク | 平成15年(2003年)の34,427人 |
参考: 警察庁・厚生労働省「令和4年中における自殺の状況」/自殺総合対策大綱(令和4年10月閣議決定)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について