第114回 看護師国家試験 午後 問16 解説
📝 問題
胃癌のVirchow〈ウィルヒョウ〉転移が生じる部位はどれか。gastric cancer
✅ 正解
4
💡 解説
✅ ウィルヒョウ転移は左鎖骨上窩リンパ節への転移。
ウィルヒョウ転移は、胃がんなど腹部のがんが、リンパの流れに乗って左鎖骨上窩のリンパ節へ転移したものをいう。 腹部や下半身のリンパ液はすべて胸管に集まり、左の鎖骨の下で静脈に注ぐ。その手前にある左鎖骨上窩のリンパ節にがん細胞が引っかかるため、ここに硬いしこりが触れる。触れれば遠隔転移=ステージIVを意味し、根治手術の対象外となる大切な所見である。
- 1
肺不正解
血行性転移の代表的な部位ではあるが、ウィルヒョウ転移とはよばない。胃がんでは肝転移に比べて頻度は低い。
- 2
肝臓不正解
胃からの血液は門脈を通って肝臓に入るため転移しやすいが、これは血行性で別の経路である。
- 3
ダグラス窩不正解
腹膜播種したがん細胞が骨盤のいちばん深いところにたまってできる硬結はシュニッツラー転移という。直腸診で触れることがある。
- 4
左鎖骨上窩正解
正しい。胸管を経て左鎖骨上窩のリンパ節へ達した、リンパ行性の遠隔転移である。
📚 一緒に確認しよう
胃がんには人名のついた転移がいくつもある。名前・部位・経路の3つをセットで覚えよう。
- 転移の経路はリンパ行性・血行性・播種性・直接浸潤の4つ
- 胃がんの血行性転移は門脈を経由した肝転移が最も多い
- 早期胃がんは深さが粘膜または粘膜下層までのもので、リンパ節転移の有無は問わない
| 名称 | 部位 | 経路 |
|---|---|---|
| Virchow(ウィルヒョウ)転移 | 左鎖骨上窩リンパ節 | リンパ行性 |
| Schnitzler(シュニッツラー)転移 | ダグラス窩(直腸子宮窩・直腸膀胱窩) | 腹膜播種 |
| Krukenberg(クルッケンベルグ)腫瘍 | 両側卵巣 | 腹膜播種 |
参考: 胃癌治療ガイドライン(日本胃癌学会)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について