第112回 看護師国家試験 午前 問33 解説
📝 問題
ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 保健所でのHIV検査は匿名で受けられる。
全国の保健所では、HIV検査を匿名かつ無料で受けることができる。感染の早期発見・早期治療につなげるため、氏名を告げずに検査を受けられる体制が整備されている。
他の選択肢は誤りである。令和2年(2020年)の新規HIV感染者数はおおむね横ばい〜やや減少傾向で、10年前に比べて増加しているとはいえない。日本のHIV感染経路は同性間の性的接触が最も多く、異性間ではない。またHIVは抗ウイルス療法により血中ウイルス量を抑制し良好な予後を保てるが、体内からウイルスを完全に排除する完治には至らない。
- 1
令和2年(2020年)の新規感染者数は10年前に比べ増加している。不正解
令和2年の新規HIV感染者数は増加傾向にはなく、近年は横ばい〜やや減少で推移している。
- 2
日本では異性間の性的接触による感染が最も多い。不正解
日本のHIV感染経路は同性間の性的接触が最も多く、異性間ではない。
- 3
早期に発見して治療を開始すれば完治する。不正解
抗HIV療法でウイルス量を抑制できるが、体内からウイルスを完全排除する「完治」はできない。
- 4
保健所でのHIV検査は匿名で受けられる。正解
保健所でのHIV検査は匿名・無料で受けられ、早期発見・治療につなげる体制が整っている。
📚 国試でよく狙われるところ
HIV感染症は、感染経路から治療・指標疾患・届出まで幅広く問われる。
- 保健所の検査は感染の可能性があった日から3か月以降に受ける。それより早いと抗体ができておらず、感染していても陰性になることがある
- HIVの感染経路は性的接触・血液媒介・母子感染の3つ。握手や食器の共用など日常的な接触では感染しない
- 日本の新規報告では男性の同性間の性的接触が最も多い
- 抗HIV療法(ART)でウイルス量が検出限界未満に保たれていれば、性行為による他者への感染は起こらないとされる
- HIV感染者に起こればAIDS発症と診断される23の指標疾患には、免疫が落ちたときに起こる真菌性のニューモシスチス肺炎、カンジダ症、カポジ肉腫などがあり、HIVが壊す免疫の司令塔であるCD4陽性Tリンパ球数が病期の指標となる
- 感染症法では5類感染症(全数把握)で、医師は診断後7日以内に届け出る
参考: 厚生労働省「エイズ発生動向」/厚生労働省「HIV検査・相談」に関する保健所検査体制
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について