第112回 看護師国家試験 午前 問30 解説
📝 問題
くも膜下出血の成因で最も多いのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ くも膜下出血の成因で最も多いのは脳動脈瘤の破裂である。
くも膜下出血は、脳表とくも膜の間(くも膜下腔)に出血が生じる病態で、その最も多い原因は脳動脈瘤(脳動脈のこぶ)の破裂である。次いで脳動静脈奇形の破裂が原因となる。突然の激しい頭痛(「バットで殴られたような」頭痛)で発症するのが特徴である。
国試ではくも膜下出血の原因と症状が頻出する。 外傷は脳挫傷や急性硬膜下血腫など別の頭部外傷の病態であり、脳腫瘍や脳動静脈奇形は原因になり得るものの頻度は脳動脈瘤に及ばない。 突然発症の激しい頭痛+くも膜下出血=動脈瘤破裂を疑う、という流れを覚えておくとよい。
- 1
外傷不正解
外傷は頭部外傷による出血の原因だが、非外傷性くも膜下出血の最多原因ではない。
- 2
脳腫瘍不正解
脳腫瘍がくも膜下出血の原因となることはまれで、最多ではない。
- 3
脳動脈瘤正解
脳動脈瘤の破裂がくも膜下出血の成因として最も多い。
- 4
脳動静脈奇形不正解
脳動静脈奇形の破裂も原因となるが、頻度は脳動脈瘤に次ぐ。
📚 国試でよく狙われるところ
くも膜下出血は、好発部位と診断から、合併症・重症度・治療まで一通り問われる。
- 好発部位は前交通動脈、内頸動脈-後交通動脈分岐部、中大脳動脈分岐部など、脳の底で動脈が輪のようにつながるウィリス動脈輪の前方が大半
- 診断は頭部単純CTでくも膜下腔の高吸収域(ヒトデ型)。CTで確認できないときは腰椎穿刺で、血液が分解されて髄液が黄色く見えるキサントクロミーを確認する。続いて脳血管撮影やCTA/MRA
- 三大合併症:①再出血(発症24時間以内が最多)②脳血管攣縮(発症4〜14日ごろ、脳梗塞の原因)③正常圧水頭症(1か月前後、歩行障害・認知機能低下・尿失禁)
- 重症度はハント・コスニック分類や、意識レベルと運動麻痺の有無で5段階に分けるWFNS分類で評価する
- 治療は開頭クリッピング術または血管内コイル塞栓術
参考: 標準的な脳神経外科学(くも膜下出血の原因と症状)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について