第111回 看護師国家試験 午前 問44 解説
📝 問題
A さん(60 歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった。A さんが摂取を避けるべき食品はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ ワルファリン内服中はビタミンKを多く含む納豆を避ける。
ワルファリンはビタミンKの働きを妨げて血液を固まりにくくする薬である。ビタミンKを多く含む食品をとると薬が効きにくくなるため、納豆は避けるよう指導する。納豆菌は腸のなかでもビタミンKを作るので、少量でも影響が大きい。
クロレラや青汁も同じ理由で避ける。ほうれん草などの緑黄色野菜は禁止ではなく、食べる量を一定に保つよう伝える。 グレープフルーツは薬を分解する酵素(CYP3A4)を妨げてカルシウム拮抗薬などの血中濃度を上げる食品で、海藻と牛乳にはワルファリンとの重大な相互作用がない。
CYP3A4〈シップスリーエーフォー〉とは
肝臓や腸で薬を分解する酵素。グレープフルーツはこの働きを妨げるため、一部の薬が効きすぎることがある。
- 1
海藻不正解
海藻はワルファリンの効果を妨げる重大な相互作用がなく、避ける必要はない。
- 2
牛乳不正解
牛乳はワルファリンとの重大な相互作用がなく、避けるべき食品ではない。
- 3
納豆正解
納豆はビタミンKを多く含み、ワルファリンの抗凝固作用を減弱させるため避ける。
- 4
グレープフルーツ不正解
グレープフルーツはCYP3A4を介する薬で問題となるが、ワルファリンの代表的回避食品は納豆である。
📚 国試でよく狙われるところ
ワルファリンは、避けるべき食品と検査値を入れ替えて問われる。食事・併用薬の影響を強く受ける薬なので、指導の中身をそのまま覚えよう。
- 効果のモニタリングはPT-INRで行う。値が高すぎれば出血、低すぎれば血栓のリスクとなる。
- ビタミンK依存性凝固因子は第Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子。覚え方は「肉・納豆」=2・9・7・10。
- 過量投与時の拮抗薬はビタミンK。
- 緑黄色野菜は禁止ではなく摂取量を一定に保つよう指導する。
- 直接経口抗凝固薬(DOAC)はビタミンKの影響を受けず、食事制限や定期的なINR測定が不要。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について