第110回 看護師国家試験 午後 問96 解説

状況設定成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(47歳、女性、会社員)は子宮体癌で準広汎子宮全摘出術と両側付属器切除術を受けた。Aさんはその後、順調に経過し退院した。退院後、初回の外来受診時に看護師がAさんに心配なことを尋ねると「退院のときも性生活の説明を聞きましたが、子宮がなくなって自分の身体がどう変化しているかわからないし、やっぱり性生活のことが気がかりです。夫も私の身体を気遣ってくれて、今日も一緒に病院に来てくれました」と語った。 Aさんへの性生活の説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 卵巣摘出後は腟の乾燥が生じやすく、潤滑ゼリーの使用が性交痛の軽減に有効。

両側卵巣摘出によるエストロゲン欠乏で腟粘膜が萎縮し、潤いが低下して腟の乾燥が生じやすい。そのため性交時の痛みや不快感が起こりやすく、潤滑ゼリー(潤滑剤)を用いることで性交痛を和らげられる。

再開時期に一律の制限はなく、創部の回復に応じて主治医の許可のもとで判断する。 Aさんは夫とともに来院しており、本人が希望すれば同席で説明してよい。 子宮を全摘しているため妊娠せず、避妊は不要である。

性に関する話題はデリケートであり、羞恥心やパートナーとの関係性に配慮しながら、正確で実用的な情報を提供する姿勢が求められる。

  • 1

    術後1年までは性行為を控える。不正解

    一律に術後1年間控える必要はなく、創部の回復に応じて主治医の許可のもと再開できる。

  • 2

    夫と別々に説明することを提案する。不正解

    夫とともに来院しており、本人が希望すれば同席で説明できるため、別々に説明する必要はない。むしろ同席が望ましい場合が多い。

  • 3

    性行為再開後は避妊を続けてもらう。不正解

    子宮を全摘しており妊娠しないため、避妊は不要。

  • 4

    腟の乾燥に対して潤滑ゼリーを用いるとよい。正解

    エストロゲン欠乏で腟が乾燥しやすく、潤滑ゼリーの使用が性交痛の軽減に有効。

📚 ここも一緒におさえておこう

がん治療後のセクシュアリティは本人から切り出しにくい。看護師の側から話題にする配慮が要る。 術後の性生活は、再開の時期・腟の乾燥への対処・パートナーへの説明という3点を具体的に伝えることが支援の柱になる。

  • 腟の乾燥・萎縮による性交痛には潤滑ゼリーの使用が有効
  • 性生活の再開時期は創部の回復を確認し、主治医の許可のもとで判断する
  • 本人が望めばパートナー同席で説明し、身体の変化について共通理解をつくる
  • 骨盤内リンパ節郭清後は下肢のリンパ浮腫、広汎子宮全摘出術後は排尿障害に注意する

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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