第110回 看護師国家試験 午後 問94 解説
📝 問題
Aさん(47歳、女性、会社員)は、夫(54歳)と2人暮らし。6か月前から月経不順になり、閉経前の症状と思い様子をみていた。しかし、徐々に普段の月経時の出血量よりも多くなり、下腹部痛が出現してきたため、病院の婦人科外来を受診した。診察後、経腟超音波検査の指示が出され、看護師はAさんに検査について説明することになった。 Aさんへの経腟超音波検査の説明で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 経腟超音波検査は排尿を済ませて(膀胱を空にして)行うため、検査前に排尿を促す。
経腟超音波検査は、プローブを腟内に挿入して子宮・卵巣を近接して観察する検査である。膀胱が充満していると子宮が押し上げられて描出が悪くなり、患者の不快感も強まる。 そのため、看護師は検査前に排尿を促し、膀胱を空にしておく。
下腹部から観察する経腹超音波検査では、逆に膀胱を充満させて骨盤内臓器を見やすくする。
経腟超音波は砕石位(内診台の体位)で行い、絶飲食や検査後の長時間安静は不要である。 Aさんは検査への不安を抱えやすい状況にあるので、体位や所要時間、痛みへの対処を丁寧に説明する。
経腟超音波検査とは
細い棒状のプローブを腟から入れ、子宮や卵巣を近くから観察する検査。腹部の上からより細かく見える。
砕石位とは
あおむけで両脚を開いて持ち上げ、支えに乗せる体位。内診台や婦人科の処置で用いる。
- 1
検査が終了するまで絶飲食にする。不正解
経腟超音波検査は消化管の検査ではなく、絶飲食の必要はない。
- 2
検査前に排尿するよう促す。正解
膀胱が充満すると子宮の描出が妨げられるため、検査前に排尿し膀胱を空にする。
- 3
検査は側臥位で行う。不正解
経腟超音波は内診台での砕石位で行う。側臥位ではない。
- 4
検査後1時間は安静にする。不正解
侵襲の少ない検査であり、検査後に1時間の安静を要することはない。
📚 混同しやすいので注意
婦人科の超音波検査は経腟と経腹で膀胱の準備が正反対になる。 どちらの検査かを入れ替えて問われる。「腟から見るなら空、腹から見るならためる」と唱えておくと確実である。
- 経腟超音波=排尿を済ませて膀胱を空にし、砕石位(内診台)で行う
- 経腹超音波=膀胱を充満させて骨盤内臓器を描出しやすくする
- 子宮体癌=閉経前後の不正性器出血が代表的症状で、子宮内膜組織診で診断する
- 子宮頸癌=HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が主因。細胞診による検診とHPVワクチンが予防の柱
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について