第110回 看護師国家試験 午後 問73 解説
📝 問題
血漿蛋白質の大部分を合成しているのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 血漿蛋白質の大部分を合成しているのは肝臓である。
血漿蛋白質の大部分、特にアルブミンやフィブリノゲン、多くの凝固因子は肝臓で合成される。 肝機能が低下するとアルブミン低下による浮腫や、凝固因子低下による出血傾向が生じる。
例外として、免疫グロブリン(抗体)は形質細胞(B細胞由来)で産生される。肺はガス交換、腎臓は尿の生成とエリスロポエチンなどの分泌、膵臓は消化酵素とインスリンなどの分泌、脾臓は古い赤血球の処理や免疫を担うが、血漿蛋白質全体の合成の中心ではない。
アルブミンとは
血液中でいちばん多いタンパク。血管の中に水を引きとめる働きがあり、減るとむくみが出る。
形質細胞とは
B細胞が変化してできた細胞。抗体(免疫グロブリン)をつくって放出する。
- 1
肺不正解
肺はガス交換を担う臓器で、血漿蛋白質の合成の中心ではない。
- 2
肝臓正解
アルブミンや凝固因子など血漿蛋白質の大部分は肝臓で合成される。
- 3
腎臓不正解
腎臓は尿生成やエリスロポエチン分泌を担うが、血漿蛋白質合成の中心ではない。
- 4
膵臓不正解
膵臓は消化酵素やインスリンなどを分泌するが、血漿蛋白質全体を合成しているわけではない。
- 5
脾臓不正解
脾臓は赤血球の処理や免疫を担うが、血漿蛋白質の合成の中心ではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
肝臓は、はたらきの名前より「合成能が落ちると何が起きるか」を入れ替えて問われる。減る物質と現れる症状を対にして覚えよう。 肝臓は代謝・合成・解毒・胆汁生成を担う。
- 血清アルブミンの基準値=約3.8〜5.2g/dL。低下すると膠質浸透圧が下がり浮腫・腹水を生じる
- アルブミンの半減期は約20日と長く、短期の栄養評価にはトランスサイレチン(プレアルブミン)などを用いる
- 凝固因子の多くも肝臓で作られ、ビタミンK依存性の因子はⅡ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ。覚え方は「肉・納豆」=2・9・7・10
- 免疫グロブリン(抗体)だけは肝臓ではなく形質細胞が産生する
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について