第110回 看護師国家試験 午後 問106 解説
📝 問題
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。 Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 分娩第1期で努責感を訴え息を止めているAさんには、呼吸法を促して緊張を和らげる。
Aさんは子宮口8cm開大の分娩第1期後半(移行期)で、強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じ呼吸を止めて全身に力を入れている。子宮口全開大の前に努責(いきみ)をかけると子宮頸管の裂傷や浮腫を招くため、この時期はいきみを逃す必要がある。 呼吸法を促して息を止めず規則的に呼吸させることで、緊張を和らげ努責感を逃がす。
坐位やシャワー浴は、産痛が強く分娩が急速に進むこの場面での対応にはならない。 陣痛のつらさで本人が飲食を望んでおらず分娩の進みも速いので、食事を無理にすすめない。 産婦のそばに付き添い、呼吸法のリード、腰部の圧迫やマッサージ、声かけで安楽を支える。
移行期とは
分娩第1期の終わりごろ、子宮口が8cm前後まで開いた時期。産痛が最も強く、いきみたい感じが出てくる。
頸管裂傷とは
子宮の出口(頸管)が裂ける産道の損傷。全開大の前にいきむと起こりやすく、多量の出血につながる。
- 1
坐位になるよう勧める。不正解
強い産痛と努責感がある移行期に坐位を勧めるのは、この切迫した苦痛への対応として適切でない。
- 2
シャワー浴を勧める。不正解
分娩が急速に進行する移行期にシャワー浴を勧めるのは不適切。
- 3
食事摂取を促す。不正解
本人が飲食を望まず分娩進行も速く、食事摂取を無理に促すのは不適切。
- 4
呼吸法を促す。正解
全開大前の努責は頸管裂傷を招く。呼吸法を促し息を止めずいきみを逃がすのが適切。
📚 国試でよく狙われるところ
分娩第1期後半(移行期)は、いきみたいという訴えにどう答えるかが問われる。産痛が最も強く努責感が出やすい時期なので、全開大までは呼吸法でいきみを逃がす、と結びつけて覚えよう。
- 子宮口全開大前の努責は頸管裂傷・頸管浮腫を招くため、呼吸法でいきみを逃がす
- 呼吸法はゆっくり息を吐くことを意識させ、看護師が一緒に行ってリードする
- 間欠期は全身の力を抜いて休息できるよう声をかける
- 仙骨部の圧迫やマッサージ、体位の工夫、タッチング、排尿の促しが安楽を助ける
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について