第110回 看護師国家試験 午後 問105 解説
📝 問題
Aちゃん(6か月、女児)はRSウイルスによる急性細気管支炎で入院した。入院後7日、Aちゃんは症状が軽快し、哺乳量も増加して翌日の金曜日に退院が決定した。母親は「Aはだいぶ元気になりました。でもBが泣いたり、かんしゃくをおこしたりすることが増えているようです。どうしたらいいでしょう」と看護師に相談した。入院中、土曜日、日曜日は父親がB君の世話をしており、平日は祖父母が世話をしているとのことであった。退院時、父親は休暇をとりAちゃんと母親を迎えに来る予定である。 母親への看護師の対応として適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ きょうだいの赤ちゃん返り(退行)には、B君に関わる時間をたっぷりとることが適切。
Aちゃんの入院で母親の関心が乳児に向き、上の子B君(3歳)は寂しさから泣いたりかんしゃくを起こしたりする退行(赤ちゃん返り)を示していると考えられる。幼児期のきょうだいによくみられる正常な反応で、B君に意識して関わる時間をとり、愛情を確かめさせるのがよい。
B君の反応は病的なものではないので、かかりつけ医への相談や保育所への入所を先に勧める場面ではない。 3歳の子に「お兄ちゃんだから頑張りなさい」と我慢を強いる声かけは、不安と寂しさをかえって強める。 退院時は父親も休暇をとって迎えに来るので、B君と過ごす時間を確保できるよう具体的に助言するとよい。
退行とは
強い不安のときに、発達段階が前に戻ったようにふるまうこと。指しゃぶり・夜尿・甘えの増加などで表れる。
- 1
「B君のかかりつけ医に相談しましょう」不正解
B君の反応は正常な退行反応であり、まずかかりつけ医への相談を勧めるのは不適切。
- 2
「B君の保育所への入所を検討しましょう」不正解
保育所入所の検討を先に勧めるのは不適切で、まず家族の関わりで対応する。
- 3
「B君に関わる時間をたっぷりとりましょう」正解
赤ちゃん返りには、B君に意識して関わる時間をとり愛情を確認させることが有効。
- 4
「お兄ちゃんだから頑張りなさいと伝えましょう」不正解
3歳児に我慢を強いる声かけは不安・寂しさを募らせ、不適切。
📚 国試でよく狙われるところ
入院した子のきょうだいへの対応は、正しい声かけを1つ選ばせる形で問われる。我慢を求める言葉は選ばない、その子だけに向き合う時間をつくるほうを選ぶ、と対で覚えよう。
- 幼児期では赤ちゃん返り(退行)・かんしゃく・夜泣き・食欲低下・排泄の失敗などで表現される
- 「お兄ちゃんだから我慢しなさい」と役割を押しつける声かけは、不安と寂しさを強める
- 短時間でもその子だけに向き合う時間をつくり、スキンシップで愛情を確認させる
- 祖父母や父親など家族の協力体制を整え、きょうだいの生活リズムを保つ
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について