第110回 看護師国家試験 午前 問85 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

血液のpH調節に関わっているのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・4

💡 解説

✅ 血液のpH調節に関わるのは肺と腎臓である

血液のpH(酸塩基平衡)は、緩衝系・呼吸性調節・腎性(代謝性)調節によって一定(約7.40)に保たれる。 肺は換気により二酸化炭素(CO₂)の排出量を変え、呼吸性に酸塩基平衡を調節する。 腎臓は水素イオン(H⁺)の排泄と重炭酸イオン(HCO₃⁻)の再吸収・生成により代謝性に調節する。

他の選択肢は血液のpH調節を主に担う臓器ではない。胃は胃酸(塩酸)を分泌して消化を助け、心臓は血液を循環させるポンプである。膵臓は消化酵素や重炭酸を含む膵液を消化管に分泌し、血糖の調節にも関わる。

国試では酸塩基平衡(呼吸性=肺、代謝性=腎臓)が頻出である。 「CO₂は肺で速やかに調節、HCO₃⁻とH⁺は腎臓でゆっくり調節」と対応させて覚えておくとよい。

酸塩基平衡とは

体液が酸性にもアルカリ性にも傾きすぎないよう保たれている状態。崩れると意識障害や不整脈が起こる。

緩衝系とは

入ってきた酸やアルカリをその場で受け止め、pHの急な動きを和らげるしくみ。重炭酸イオンが主役を務める。

  • 1

    胃不正解

    胃は胃酸を分泌し消化に関わるが、血液のpH調節を主に担う臓器ではない。

  • 2

    肺正解

    肺は換気によりCO₂排出量を変え、呼吸性に酸塩基平衡を調節する。

  • 3

    心臓不正解

    心臓は血液循環のポンプであり、pHの調節は行わない。

  • 4

    腎臓正解

    腎臓はH⁺の排泄とHCO₃⁻の再吸収・生成により代謝性にpHを調節する。

  • 5

    膵臓不正解

    膵臓は膵液分泌や血糖調節に関わるが、血液の酸塩基平衡を主に調節する臓器ではない。

📚 国試でよく狙われるところ

動脈血ガス分析は、pHがどちらに傾き、先に動いたのがPaCO₂かHCO₃⁻かで4つの病態に分けさせる形で出る。基準値と代表例をセットにして覚えよう。 動脈血の基準値はpH 7.35〜7.45、PaCO₂ 35〜45mmHg、HCO₃⁻ 22〜26mEq/L、PaO₂ 80〜100mmHg。 肺による呼吸性調節は数分で働き、腎による代謝性調節は数時間〜数日かかる。

酸塩基平衡異常の分類
病態pH一次的な変化代表例
呼吸性アシドーシス低下PaCO₂上昇慢性閉塞性肺疾患(COPD)、換気不全、呼吸抑制(麻薬・鎮静薬)
呼吸性アルカローシス上昇PaCO₂低下過換気症候群、疼痛・不安による頻呼吸
代謝性アシドーシス低下HCO₃⁻低下糖尿病ケトアシドーシス、腎不全、下痢、乳酸アシドーシス
代謝性アルカローシス上昇HCO₃⁻上昇嘔吐(胃液の喪失)、利尿薬、低カリウム血症

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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