第110回 看護師国家試験 午前 問8 解説
📝 問題
ハヴィガースト, R. J. が提唱する老年期の発達課題はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ ハヴィガーストの老年期の発達課題は「退職と収入の減少に適応する」である。
ハヴィガースト(Havighurst)の発達課題論では、老年期(成熟期)の課題として「体力と健康の衰退への適応」「退職と収入の減少への適応」「配偶者の死への適応」「同年代の人との親密な関係の確立」「社会的・市民的義務の遂行」「満足な生活環境の確立」などが挙げられる。選択肢のなかで老年期の課題は「退職と収入の減少に適応する」である。
他の選択肢は別の発達段階の課題である。「子どもを育てる」は壮年初期(成人前期)、「社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる」は青年期、「男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する」も青年期の課題である。
各段階の課題を対応させて覚えることが国試対策となる。 エリクソンの発達段階(老年期=統合対絶望)と混同しないよう区別する。
発達課題とは
その年代までに達成しておくと次の段階へ進みやすい、とされる課題。できないと後の適応が難しくなるとされる。
- 1
子どもを育てる。不正解
子どもを育てるのは壮年初期(成人前期)の発達課題である。
- 2
退職と収入の減少に適応する。正解
退職と収入の減少への適応はハヴィガーストの老年期の課題である。
- 3
社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる。不正解
社会的責任をともなう行動の遂行は青年期の課題である。
- 4
男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する。不正解
性役割の獲得は青年期の発達課題である。
📚 混同しやすいので注意
発達段階は、ハヴィガーストとエリクソンのどちらの理論かを入れ替えて問われる。用語の形で見分けよう——ハヴィガーストは「退職と収入の減少への適応」のような具体的な課題、エリクソンは「○○ 対 ○○」という危機の形で書かれる。
| 段階 | 危機 |
|---|---|
| ①乳児期 | 基本的信頼 対 不信 |
| ②幼児前期 | 自律性 対 恥・疑惑 |
| ③幼児後期 | 自主性 対 罪悪感 |
| ④学童期 | 勤勉性 対 劣等感 |
| ⑤青年期 | 同一性(アイデンティティ)対 同一性拡散 |
| ⑥成人前期 | 親密性 対 孤立 |
| ⑦壮年期 | 生殖性(世代性)対 停滞 |
| ⑧老年期 | 統合 対 絶望 |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について