第110回 看護師国家試験 午前 問45 解説
📝 問題
膝関節鏡検査の説明として適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 膝関節鏡検査後1日は入浴できないと説明する。
膝関節鏡検査は、関節に小切開を加えて内視鏡を入れる侵襲的な手技である。 検査後は刺入部(創部)からの感染を防ぐため、しばらくは入浴して創部を湯につけることを控える。「検査後1日は入浴できません」という説明はこのためである。
他の選択肢は説明として誤っている。関節鏡検査は手術室で無菌操作のもと行うもので、外来の処置室では行わない。 視野を確保するために入れるのは生理食塩液などの灌流液で、空気ではない。 腰椎麻酔などを用いることがあり、手技や麻酔に伴ってまれに神経の障害や下肢の一時的なしびれや麻痺が起こりうるため、「麻痺が起こることはない」と言い切ることはできない。
侵襲的検査における感染予防(創部管理・入浴制限)は看護指導の基本であり、患者への正確な説明が求められる。
灌流液とは
関節の中を流れさせて内側を広げ、内視鏡で見やすくするための液。生理食塩液が使われる。
腰椎麻酔とは
背中から細い針を入れて、下半身だけ感覚をなくす麻酔。意識は保たれたままになる。
- 1
「外来の処置室で行います」不正解
関節鏡検査は無菌操作を要する侵襲的手技で、通常は手術室で行われる。
- 2
「関節内に空気を入れます」不正解
視野確保には生理食塩液などの灌流液を用い、関節内に空気は入れない。
- 3
「検査後1日は入浴できません」正解
刺入部の感染予防のため、検査後しばらくは入浴を控える必要がある。
- 4
「検査後に下肢の麻痺が起こることはありません」不正解
麻酔や手技に伴い一時的な神経障害が生じうるため、断定は不適切である。
📚 ここも一緒におさえておこう
検査の説明を選ばせる問題は、どこで行うか・検査後に何を制限するかが決め手になる。侵襲のある検査は「感染を防ぐ」を軸に考えよう。 関節鏡検査は局所麻酔・腰椎麻酔・全身麻酔のいずれかで行い、診断だけでなく治療(鏡視下手術)としても行われる。
- 適応は半月板損傷・靱帯損傷・関節内遊離体・滑膜炎などの診断と治療。
- 検査後の観察は創部の出血・腫脹・感染徴候、疼痛、下肢の知覚・運動障害、深部静脈血栓症の徴候。
- 創部を濡らさないよう指導し、入浴・シャワーの再開は医師の指示に従う。
- 腰椎麻酔後は頭痛や排尿障害にも注意する。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について