第108回 看護師国家試験 午後 問75 解説
📝 問題
胃底腺の主細胞の分泌物に由来するタンパク分解酵素はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 胃底腺の主細胞が分泌するペプシノーゲンに由来するタンパク分解酵素はペプシンである。
胃底腺の主細胞はペプシノーゲンという不活性型を分泌し、これが胃酸(塩酸)を浴びて活性型のペプシンに変わる。 ペプシンは強い酸性(至適pH約2)でよく働くタンパク分解酵素で、タンパク質をペプチドへ分解し、胃での消化の中心を担う。 塩酸を出すのは、同じ胃底腺の壁細胞である。
他の4つは、いずれも胃底腺の主細胞から出るものではない。 アミラーゼは糖質、リパーゼは脂肪を分解する酵素で、トリプシンとキモトリプシンはタンパク分解酵素だが膵液に含まれ、十二指腸ではたらく。
- 1
アミラーゼ不正解
アミラーゼは糖質分解酵素で、唾液や膵液に含まれる。タンパク分解酵素でも胃底腺由来でもない。
- 2
キモトリプシン不正解
キモトリプシンは膵液由来のタンパク分解酵素で、胃底腺の主細胞由来ではない。
- 3
トリプシン不正解
トリプシンは膵液由来のタンパク分解酵素で、胃底腺の主細胞由来ではない。
- 4
ペプシン正解
胃底腺の主細胞が分泌するペプシノーゲンが活性化したペプシンが、この設問のタンパク分解酵素にあたる。
- 5
リパーゼ不正解
リパーゼは脂肪分解酵素であり、タンパク分解酵素ではない。
📚 混同しやすいので注意
胃底腺は3種類の細胞からなり、細胞と分泌物の組合せを入れ替えて問われる。 タンパク分解酵素は胃と膵臓の両方から出るので、どちらの由来かで見分けよう。
- 胃全摘後は内因子が失われ、数年後に巨赤芽球性貧血を起こしうる
- 膵液に含まれるのはトリプシン・キモトリプシン(タンパク質)・膵アミラーゼ(糖質)・膵リパーゼ(脂肪)で、いずれも十二指腸ではたらく
| 細胞 | 分泌物 | 働き |
|---|---|---|
| 主細胞 | ペプシノーゲン | 胃酸で活性化されペプシンとなりタンパクを分解 |
| 壁細胞 | 塩酸(胃酸)・内因子 | 殺菌とペプシノーゲンの活性化/ビタミンB12の吸収 |
| 副細胞(頸粘液細胞) | 粘液 | 胃粘膜を自己消化から保護 |
参考: 医学書院「系統看護学講座 人体の構造と機能」/標準生理学
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について