第106回 看護師国家試験 午後 問70 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

病的な老化を示すのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 病的な老化を示すのは動脈の粥状硬化である。

加齢による変化は2つに分けて考える。 誰にでも起こり、避けられないものが生理的老化。 生活習慣や病気が重なって速く進むものが病的老化である。

粥状硬化は、血管の内側にコレステロールがたまってかたまりをつくる変化で、高血圧・脂質異常症・喫煙・糖尿病があると進みが速くなる。誰にでも同じように起こるわけではなく、心筋梗塞や脳梗塞という病気につながるため、病的老化にあたる。

他の4つは年齢とともに誰にでも起こる変化である。 肝臓は重さと血流が減り、水晶体を支える毛様体筋は衰えて手元にピントが合いにくくなる。 心筋の弾性線維が減って心臓はかたくなり、膀胱の平滑筋は線維に置き換わって膀胱容量が減る。

粥状硬化とは

血管の内側にコレステロールがたまり、かゆのようにやわらかいかたまりができる変化。破れると血栓ができて血管を詰まらせる。

  • 1

    肝臓の萎縮不正解

    加齢とともに肝臓の重さと血流は減っていく。誰にでも起こる生理的老化にあたり、薬が効きすぎる原因にもなる。

  • 2

    動脈の粥状硬化正解

    粥状硬化は血管の内側にコレステロールがたまる変化で、高血圧・脂質異常症・喫煙があると速く進む。誰にでも同じように起こるものではないため病的老化になる。

  • 3

    毛様体筋の機能低下不正解

    水晶体の厚みを変える毛様体筋の力が落ちて近くが見えにくくなる状態で、老視とよばれる生理的老化である。

  • 4

    心筋の弾性線維の減少不正解

    心筋の弾性線維は加齢とともに減り、心臓はかたくなって広がりにくくなる。生理的老化にあたる。

  • 5

    膀胱の平滑筋の線維化不正解

    膀胱の平滑筋が線維に置き換わり、ためられる尿の量が減って排尿の回数が増える。これも生理的老化である。

📚 混同しやすいので注意

老化は「誰にでも起こるか」で生理的と病的に分かれる。危険因子があるかどうかで見分けよう。

  • 生理的老化は全員に起こり、後戻りせず、少しずつ進む。止めることはできないが、生活の工夫で不便は減らせる
  • 病的老化は高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙などの危険因子があると速く進み、予防と治療の対象になる
  • 白内障や骨量の減少のように、生理的老化の延長で病気の域まで進むものもある

参考: 老年看護学の標準的な教科書/動脈硬化性疾患予防ガイドライン

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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