第105回 看護師国家試験 午前 問84 解説
📝 問題
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に定められているのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ 配偶者暴力防止法には、相談員による相談と、裁判所が出す接近禁止命令が定められている。
配偶者暴力防止法は、被害者の相談・保護・自立支援と、加害者を遠ざける命令の2本立てでできている。
相談の窓口が配偶者暴力相談支援センターで、相談・一時保護・自立支援の情報提供を行う。相談にあたる職員も同じ法律に置かれており、出題時点の名称は「婦人相談員」だった。2024年4月の改正で女性相談支援員(婦人相談所は女性相談支援センター)に改められている。
もう1本が裁判所の保護命令で、被害者の申立てを受けて地方裁判所が出す。加害者が被害者につきまとうことを禁じる接近禁止命令が中心になる。
離婚調停の支援と成年後見制度の利用は、別の法律にもとづく制度である。自立支援の窓口も配偶者暴力相談支援センターで、保健所ではない。
保護命令とは
被害者の申立てを受けて地方裁判所が出す命令。加害者に、被害者へ近づくことや電話などの連絡を禁じる。
- 1
離婚調停の支援不正解
離婚調停は家庭裁判所で行う手続きで、家事事件手続法にもとづく。配偶者暴力防止法に離婚そのものの規定はない。
- 2
成年後見制度の利用不正解
成年後見制度は判断能力が十分でない人の財産や契約を守るしくみで、民法にもとづく。暴力からの保護を目的とする制度ではない。
- 3
保健所による自立支援不正解
自立支援を担うのは保健所ではなく配偶者暴力相談支援センターである。相談・一時保護から、就業や住まいの情報提供までを一貫して行う。
- 4
婦人相談員による相談正解
相談員による相談は、この法律に定められた業務である。出題時点の名称は婦人相談員で、現在は女性相談支援員という。
- 5
裁判所による接近禁止命令正解
接近禁止命令は保護命令の一つで、被害者の申立てにより地方裁判所が出す。被害者につきまとうことや、住居・勤務先の付近をうろつくことを禁じる。
📚 国試でよく狙われるところ
配偶者暴力防止法は、どの機関が何をするかと、保護命令の中身を入れ替えて問われる。命令の種類・期間・罰則を1組にして覚えよう。
- 保護命令には、被害者への接近禁止命令・電話等禁止命令・子への接近禁止命令・親族等への接近禁止命令・退去等命令がある
- 被害者への接近禁止命令の期間は1年で、つきまといや、住居・勤務先の付近をうろつくことを禁じる
- 身体への暴力だけでなく、自由・名誉・財産に対する脅迫を受けた場合も保護命令の対象になる
- 電話等禁止命令では、電話やメールに加えてSNSでの連絡や位置情報の取得も禁じられる
- 命令に違反すると2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が科される
参考: 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律/内閣府男女共同参画局「配偶者暴力防止法」
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について