第104回 看護師国家試験 午後 問44 解説
📝 問題
グリセリン浣腸の効果で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ グリセリン浣腸は腸管の蠕動運動を促進し、排便を促す。
グリセリンは水を強く引き寄せる性質をもつ。腸に入れると腸壁から水分を引き出して便を軟らかくし、同時に腸の粘膜を刺激する。 この刺激で蠕動運動が高まり、直腸が広がって便意が起こる。
他の選択肢は、作用の向きが違う。水分は腸壁から腸の中へ出てくる向きに動く。粘膜を刺激する薬なので炎症を和らげる働きはなく、腸内のガスも蠕動と排便に伴って肛門から出ていく。
蠕動運動とは
腸の壁が波のように縮んでゆるみ、中身を先へ送り出す動き。これが弱まると便がとどまり便秘になる。
- 1
腸管の蠕動を促進する。正解
グリセリンが腸壁から水分を引き出し、粘膜を刺激することで蠕動運動が高まる。
- 2
腸管内の炎症を和らげる。不正解
グリセリンは粘膜を刺激する薬で、炎症のある腸ではかえって症状を強める。
- 3
腸壁の水分吸収を促進する。不正解
逆。腸壁から腸の中へ水分が引き出され、便が軟らかくなる。
- 4
腸管内のガスの吸収を促進する。不正解
腸内のガスは蠕動と排便に伴って肛門から排出される。グリセリンにガスを吸収させる働きはない。
📚 国試でよく狙われるところ
グリセリン浣腸は、体位と挿入の長さ、そして禁忌がそのまま問われる。「左側臥位で5cm、立位では行わない」と手順ごと覚えよう。
- 左側臥位で行う。S状結腸から下行結腸へ薬液が流れやすく、腸の走行に沿った体位になる。
- カテーテルの挿入は成人で5cm程度。深すぎると直腸を傷つけ、浅すぎると薬液が漏れる。
- 立位では直腸の前壁にカテーテルが当たり穿孔の危険がある。必ず横になってもらう。
- 腸閉塞や消化管出血、下部消化管の術直後は禁忌。実施中と実施後は血圧の低下にも注意して観察する。
参考: 系統看護学講座 基礎看護学(排泄の援助)/医薬品医療機器総合機構 PMDA医療安全情報
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について