第104回 看護師国家試験 午後 問13 解説
📝 問題
低体温が起こるのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 低体温が起こるのは甲状腺機能低下症である。
甲状腺ホルモンは全身の代謝を高め、熱をつくらせるホルモンである。 足りなくなるとエネルギーの産生が落ち、低体温と徐脈が現れる。
顔や下肢がむくむ粘液水腫も特徴で、重くなると意識障害(粘液水腫性昏睡)に至る。
粘液水腫とは
甲状腺ホルモンの不足で、顔やまぶた、下肢がぼってりとむくんだ状態。指で押しても跡が残りにくいのが特徴である。
- 1
尿崩症不正解
尿崩症は抗利尿ホルモンの不足で水を再吸収できなくなり、薄い尿が大量に出て強い口渇が続く。中心となる問題は脱水である。
- 2
褐色細胞腫不正解
褐色細胞腫は副腎髄質などの腫瘍からカテコラミンが過剰に出て、高血圧・頭痛・発汗・高血糖を起こす。代謝が高まるので体温はむしろ上がる。
- 3
甲状腺機能低下症正解
代謝が落ちて熱をつくれなくなり、低体温・徐脈・寒がりが現れる。原因で最も多いのは橋本病(慢性甲状腺炎)である。
- 4
Cushing〈クッシング〉症候群不正解
クッシング症候群はコルチゾールの過剰で、中心性肥満・満月様顔貌・高血糖・高血圧・骨粗鬆症を起こす。
📚 混同しやすいので注意
甲状腺の病気は、亢進症と低下症の症状を入れ替えて問われる。代謝が上がるか下がるかで、症状がまるごとひっくり返ると考えよう。
| 項目 | 機能亢進症 | 機能低下症 |
|---|---|---|
| 代表的な病気 | Basedow〈バセドウ〉病 | 橋本病(慢性甲状腺炎) |
| 体温・脈拍 | 暑がり、発汗が多い、頻脈 | 寒がり、低体温、徐脈 |
| 体重・食欲 | 食欲があるのに体重が減る | 食欲が落ちても体重が増える |
| 便通・精神面 | 下痢、落ち着かずいらいらする | 便秘、動作や思考が遅くなる |
| 特徴的な所見 | 眼球突出、甲状腺のびまん性腫大 | 顔や下肢のむくみ、皮膚の乾燥 |
参考: 系統看護学講座 内分泌・代謝
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について