第103回 看護師国家試験 午後 問35 解説
📝 問題
重症筋無力症について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 重症筋無力症の特徴的な症状は眼瞼下垂である。
重症筋無力症は、神経から筋へ信号を渡す神経筋接合部が自己抗体で妨げられる病気である。 壊れているのは筋肉そのものではなく、信号の受け渡しのほうである。
信号が届きにくいので、使い続けた筋から力が抜けていく。 最初に出やすいのが眼瞼下垂と複視で、朝は軽く夕方に悪くなる日内変動がみられる。
進むと飲み込みや呼吸の筋にも及ぶ。呼吸ができなくなるほど悪化した状態が筋無力症クリーゼで、人工呼吸器による呼吸の管理が必要になる。
クリーゼとは
症状が急に悪化して命に関わる状態。重症筋無力症では呼吸の筋が動かなくなる。
- 1
筋肉の障害に起因する。不正解
障害されるのは筋肉そのものではなく、神経と筋のつなぎ目にあるアセチルコリン受容体。ここに自己抗体が結びついて信号を邪魔する。
- 2
手術療法は甲状腺摘出である。不正解
手術で摘出するのは胸腺。自己抗体をつくるもとになり、胸腺腫を合併することもあるため胸腺摘除術が行われる。
- 3
特徴的な症状は眼瞼下垂である。正解
重症筋無力症では眼瞼下垂や複視が最初に出やすく、夕方に強くなる日内変動を伴う。
- 4
クリーゼが発症した時は抗コリンエステラーゼ薬を投与する。不正解
クリーゼでまず行うのは気道の確保と人工呼吸器による呼吸の管理。抗コリンエステラーゼ薬は効きすぎても似た症状(コリン作動性クリーゼ)を起こすため、その場で増やすことはしない。
📚 国試でよく狙われるところ
重症筋無力症は、障害される場所と症状の出方を入れ替えて問われる。「つなぎ目の病気」「夕方に悪くなる」の2つを対にして覚えよう。
- 自己抗体の相手は、神経筋接合部にあるアセチルコリン受容体
- 診断では、抗コリンエステラーゼ薬を使って症状が軽くなるかをみる方法や、抗体の検査を用いる
- 胸腺腫を合併することがあり、胸腺摘除術が治療の選択肢になる
参考: 系統看護学講座 成人看護学 脳・神経/難病情報センター「重症筋無力症」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について