第115回 看護師国家試験 午後 問63 解説
📝 問題
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉によって労働者が請求できるのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 所定労働時間の短縮(短時間勤務)は育児・介護休業法に基づく措置である。
働く親を支える制度は労働基準法と育児・介護休業法に分かれており、どちらの法律によるものかを問う設問である。 育児・介護休業法は、3歳に満たない子を養育する労働者が申し出たときに所定労働時間の短縮措置(1日原則6時間)を講じることを事業主に義務づけている。 介護についても、対象家族を介護する労働者に短時間勤務等の措置が定められている。
一方、育児時間(1日2回各30分)と産後休業(産後8週間)は、いずれも労働基準法が定める母性保護の規定である。育児休業給付金は休業中の所得を保障する給付だが、根拠法は雇用保険法であって育児・介護休業法ではない。 「休業する権利は育児・介護休業法、給付は雇用保険法」という組み合わせで覚えるとよい。
- 1
育児時間不正解
育児時間は労働基準法の規定で、生後満1年に達しない生児を育てる女性が1日2回それぞれ少なくとも30分請求できる。対象が女性労働者に限られる点も、男女いずれも利用できる育児・介護休業法の制度と異なる。
- 2
産後休業不正解
産後休業は労働基準法の規定である。産後8週間は就業させてはならない(本人が請求し医師が支障ないと認めた業務には産後6週間経過後から就業可)。産前は本人の請求により6週間、多胎妊娠では14週間である。
- 3
育児休業給付不正解
育児休業給付は雇用保険法に基づく給付で、支給するのは事業主ではなく雇用保険である。育児休業を取得する権利そのものは育児・介護休業法が定めるが、休業中の所得保障は別の法律による点を区別する。
- 4
労働時間の短縮正解
育児・介護休業法は、3歳に満たない子を養育し育児休業をしていない労働者が申し出た場合に、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務制度を設けることを事業主に義務づけている。介護についても、対象家族1人につき利用開始から3年以上の期間で2回以上利用できる措置が定められている。
📚 混同しやすいので注意
仕事と育児・介護の制度は、どの法律に何が書いてあるかを入れ替えて問われる。労働基準法は母体を守る規定、育児・介護休業法は仕事と両立させる規定、と分けて覚えよう。
| 制度 | 根拠法 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 産前産後休業 | 労働基準法 | 産前6週(多胎14週)・産後8週 |
| 育児時間 | 労働基準法 | 生後1年未満の生児を育てる女性、1日2回各30分 |
| 育児休業 | 育児・介護休業法 | 原則子が1歳になるまで(事情により最長2歳) |
| 所定労働時間の短縮 | 育児・介護休業法 | 3歳未満の子を養育する労働者、1日原則6時間 |
| 所定外労働の制限 | 育児・介護休業法 | 小学校就学前の子(2025年4月に3歳未満から拡大) |
| 時間外労働・深夜業の制限 | 育児・介護休業法 | 小学校就学前の子 |
| 子の看護等休暇 | 育児・介護休業法 | 年5日(子2人以上は10日)、小学校3年生修了まで |
| 介護休業 | 育児・介護休業法 | 対象家族1人につき通算93日、3回まで分割可 |
| 育児休業給付金 | 雇用保険法 | 開始180日は休業前賃金の67%、以降50% |
参考: 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)第16条の2・第23条/労働基準法第65条・第67条/雇用保険法(育児休業給付)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について