第115回 看護師国家試験 午後 問54 解説
📝 問題
乳房超音波検査について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 乳房超音波検査は放射線被曝がないため、妊娠中でも受けられる。
乳房超音波検査は探触子(プローブ)を乳房に当て、超音波の反射を画像化する検査で、放射線被曝がない。 そのため妊娠中・授乳中でも受けられる点が、乳癌検診のもう一方の柱であるマンモグラフィと大きく異なる。
体位は仰臥位で検側の上肢を挙上し、乳房全体と腋窩リンパ節を観察する。 乳房を圧迫板ではさむのはマンモグラフィで、マンモグラフィは微細石灰化の検出に優れる一方、若年者に多い高濃度乳腺では病変が白く埋もれて見えにくい。 超音波は高濃度乳腺でも腫瘤性病変を捉えやすく、両者は互いを補い合う関係にある。
- 1
腹臥位で行う。不正解
乳房超音波は仰臥位で検側の上肢を挙上して行う。腹臥位では乳房と腋窩を広く均等に観察できない。
- 2
妊娠中も受けられる。正解
放射線被曝がないため妊娠中・授乳中でも実施でき、若年者にも繰り返し行える。妊娠中に乳房のしこりを自覚した場合、まず選択される画像検査でもある。
- 3
乳房を板状のものではさむ。不正解
乳房を圧迫板ではさむのはマンモグラフィである。超音波はゼリーを塗って探触子を当てるだけで、圧迫による痛みはない。
- 4
石灰化した病変を発見しやすい。不正解
微細石灰化の検出はマンモグラフィが得意で、非浸潤性乳管癌の発見につながる。超音波は石灰化の描出は不得手で、腫瘤性病変の検出と良悪性の推定に強い。
📚 混同しやすいので注意
乳房超音波とマンモグラフィは、被曝・体位・得意な所見・検診での位置づけを入れ替えて問われる。2つを対にして覚えよう。
| 項目 | 乳房超音波 | マンモグラフィ |
|---|---|---|
| 放射線被曝 | なし(妊娠中も実施可) | あり(妊娠中は原則避ける) |
| 体位 | 仰臥位で上肢を挙上 | 立位で乳房を圧迫板ではさむ |
| 得意な所見 | 腫瘤性病変、高濃度乳腺の評価 | 微細石灰化の検出 |
| 対策型検診での位置づけ | 推奨されていない(任意型で併用) | 40歳以上に2年に1回 |
参考: 厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」/乳癌診療ガイドライン(日本乳癌学会)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について