第114回 看護師国家試験 午後 問69 解説
📝 問題
精神疾患の治療を受けている人との共同創造〈コプロダクション〉で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 共同創造とは、計画から提供まで医療者と当事者がともに関わることである。
共同創造(コプロダクション)とは、サービスを「提供する側」と「受ける側」に分けずに、企画から提供・評価までのすべての段階を、当事者と専門職が対等な立場で一緒につくっていく考え方である。
当事者がもつ経験に基づく知識を、専門職の知識と同じだけ価値のあるものとして扱う点が重要である。 医療の場では「説明して同意を得る」で止まりがちだが、共同創造はその先で、プログラムの設計や教材づくり、研修の講師、サービスの評価に当事者が加わる。
- 1
患者が医療者の指示に従って治療を受ける。不正解
医療者が決めた治療に患者が従うという関係は専門職主導の構図であり、共同創造とは正反対である。
- 2
患者が医療者から病気や治療について十分な説明を受ける。不正解
十分な説明を受けて同意するのはインフォームド・コンセントで、医療者から患者への一方向の情報提供にとどまる。共同創造は、患者の経験が計画の中身に実際に反映される双方向の協働をいう。
- 3
治療やケアの計画から提供まで医療者と患者がともに関わる。正解
共同創造の定義そのものである。計画・実施・評価のすべての段階で、当事者と専門職が対等な立場で関わり合う。
- 4
自ら助けを求めることが難しい人に対して、積極的に働きかけ支援を提供する。不正解
自分から助けを求めることが難しい人に、こちらから出向いて支援を届けるのはアウトリーチ(訪問支援)である。大切な支援だが、共同創造の説明ではない。
📚 混同しやすいので注意
似た言葉が並ぶので、誰が何をするかで区別する。
- 共同意思決定=治療方針を医療者と本人が一緒に決めること
- アドボカシー=本人の権利を守り、代わりに声を上げること
- エンパワメント=本人がもつ力を発揮できるようにすること
- 共同創造は精神科医療にとどまらず、地域包括ケアや医療安全、看護教育の場面にも広がっている
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について