第114回 看護師国家試験 午後 問68 解説
📝 問題
精神障害のある人のリカバリーで正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ リカバリーとは、主体的に人生を新たに生き直していく過程である。
精神保健でいうリカバリーは、症状が消えることそのものを指す言葉ではない。病気による制限が残っていても、自分の価値観や目標、役割を組み立て直し、希望をもって自分らしい人生を送っていくその人だけの過程をいう。
この過程は一直線には進まない。前に進んだり後戻りしたり、立ち止まったりを繰り返す非直線的な過程であることが大きな特徴で、後退があっても失敗ではない。
- 1
症状の回復がゴールである。不正解
症状が消えることだけがゴールではない。症状や障害が残っていても、希望をもって自分の望む生活と役割を取り戻すことがリカバリーの中心である。
- 2
直線的なプロセスをたどる。不正解
リカバリーは直線的ではなく、前進と後退、停滞を繰り返す。再燃や挫折も過程の一部であって、振り出しに戻ることではない。
- 3
主体的に人生を新たに生き直すことである。正解
リカバリーの本質を表している。病気を抱えながらも、自分の価値観と希望に沿って生活を組み立て直し、人生の主役として生き直していく過程である。
- 4
ストレス脆弱性に焦点を当てた支援である。不正解
ストレス脆弱性モデルは、もろさとストレスの組み合わせで発症や再燃を説明する考え方で、再発予防には役立つ。ただし焦点は弱さの管理であり、希望や強みを重んじるリカバリーとは視点が違う。
📚 ここも一緒におさえておこう
リカバリーを支える実践は、名前と中身をそろえて問われる。
- リカバリーの5つの要素=人とのつながり・希望・自分らしさの取り戻し・人生の意味・自分で決める力
- ストレングスモデル=弱点ではなく、本人の強みや持ち味に着目して支援を組み立てる考え方
- 元気回復行動プラン=調子を保つ工夫と、悪くなったときの対処を本人があらかじめ決めておく計画
- ピアサポート=同じ経験をもつ人どうしが支え合うこと。当事者の経験そのものが力になる
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について