第114回 看護師国家試験 午後 問66 解説
📝 問題
頭位で出生した直後の児の頭部に腫脹を認めた。腫脹は骨縫合を越え、波動を触れず、数日後に消失した。 出生直後に認められた児頭の腫脹で考えられるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 骨縫合を越え、波動がなく、数日で消える腫れは産瘤である。
出生直後の児頭の腫れは、どの層にできたかで見分ける。決め手は「骨縫合を越えるか」「波動を触れるか」「いつ出てきて、いつ消えるか」の3つである。
本問の腫れは骨縫合を越え、波動がなく、数日で消えている。これは先進部の頭皮が産道で圧迫されてできた皮下のむくみ、つまり産瘤の特徴である。骨膜より外側にあるので骨の境目に妨げられず広がり、中身は血液ではないので波動がない。
- 1
産瘤正解
産瘤は先進部の頭皮にできた皮下のむくみである。骨縫合を越えて広がり、波動を触れず、出生時からあって2〜3日で自然に消える。設問の3つの所見すべてに合う。
- 2
骨重積不正解
骨重積は、産道を通るときに頭蓋骨が縫合部で重なって頭が細長く変形するものである。腫れではなく骨の位置の変化で、数日で元に戻る。
- 3
頭血腫不正解
頭血腫は骨膜の下の出血なので、1つの骨の範囲にとどまり骨縫合を越えない。波動を触れ、消えるまでに数週間から数か月かかる。
- 4
帽状腱膜下血腫不正解
帽状腱膜下血腫は縫合を越えて頭全体に広がり、波動を触れる。大量に出血して貧血やショックに至ることがあり、数日で消えるものではない。
📚 混同しやすいので注意
産瘤・頭血腫・帽状腱膜下血腫は、表で並べて見分ける。
- 頭血腫は吸収される過程で黄疸が強まることがある。皮膚の色や経皮ビリルビン値を続けて観察する
- 帽状腱膜下血腫は吸引分娩の後に多い。頭囲が増える、顔色が悪い、頻脈といった変化は出血のサインなので急いで医師に報告する
| 産瘤 | 頭血腫 | 帽状腱膜下血腫 | |
|---|---|---|---|
| 部位 | 皮下(骨膜より外側) | 骨膜下 | 帽状腱膜と骨膜の間 |
| 骨縫合を越えるか | 越える | 越えない | 越える |
| 波動 | 触れない | 触れる | 触れる |
| 出現時期 | 出生時から | 生後数時間〜数日 | 生後数時間 |
| 消失までの期間 | 2〜3日 | 数週〜数か月 | 遷延。緊急性が高い |
| 主な問題 | とくになし | 黄疸の増強 | 出血性ショック・貧血・DIC |
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について