第114回 看護師国家試験 午後 問34 解説
📝 問題
シリンジポンプを使用する際に生じるサイフォニング現象の原因はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ シリンジポンプが刺入部より高いと、落差で薬液が急に流れ込む。
サイフォニング現象とは、シリンジポンプが患者の刺入部より高い位置にあるときに、シリンジの中の薬液が落差で引き出され、設定した流量を超えて一気に流れ込んでしまう現象である。押し子がスライダーから外れていたり、固定が不十分だと起こりやすい。
シリンジポンプは0.1mL/時単位の微量投与に使い、カテコラミンや鎮静薬など、少しの過剰でも命にかかわる薬を扱うことが多い。
だからポンプは刺入部とほぼ同じ高さに置き、押し子とスライダーのかみ合わせを、装着したときと勤務交代のときに必ず確認する。ベッドの高さを変えたときや患者を移送したあとも高低差が生まれるので注意する。
- 1
内蔵バッテリーの残量が少ない。不正解
バッテリーの残量が少ないとアラームが鳴り、放置すれば止まって投与が途絶える。流量が増える方向の事故ではない。
- 2
輸液ラインに血液の逆流がある。不正解
血液の逆流はラインの閉塞やカテーテル内の血栓の原因になる。薬液が急速に入るサイフォニング現象とは仕組みが違う。
- 3
輸液ラインに大量の空気がある。不正解
ライン内の大量の空気は空気塞栓の危険因子である。急に過量が入る高低差の問題とは別である。
- 4
刺入部とシリンジに高低差がある。正解
正しい。ポンプが刺入部より高いと、その落差で薬液が引き出され、設定量を超えて急速に注入される。押し子の固定不良が重なると、さらに起こりやすい。
📚 国試でよく狙われるところ
シリンジポンプは、起こりやすい事故と対策をセットで問われる。
| トラブル | 機序 | 対策 |
|---|---|---|
| サイフォニング現象 | ポンプが刺入部より高く、落差で薬液が流入 | 刺入部と同じ高さに設置し、押し子・クラッチを確実に固定 |
| ボーラス注入(急速注入) | 閉塞が解除された瞬間に、たまっていた圧で一気に注入 | 閉塞アラーム時はまず延長チューブを外して内圧を逃がす |
| 開始忘れ・スタート忘れ | 装着したが開始操作をしていない | 開始後に動作表示ランプと積算量を確認 |
| 流量の途絶 | 電源・バッテリー切れ、シリンジの押し子外れ | 電源接続とバッテリー残量、装着状態を定期的に確認 |
参考: 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業(シリンジポンプに関する事例)
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について