第114回 看護師国家試験 午後 問33 解説
📝 問題
うっ血乳頭が出現するのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進のサイン。
視神経はくも膜下腔とつながった鞘に包まれている。そのため頭蓋内圧が上がると、その圧が視神経の周りにも伝わり、神経の中の物質の流れが滞って視神経乳頭がむくむ。これがうっ血乳頭で、眼底鏡では乳頭の腫れ・境界のぼやけ・静脈のふくらみとして見える。
うっ血乳頭は頭痛・噴出性の嘔吐とあわせて頭蓋内圧亢進の3徴とよばれ、脳腫瘍・頭蓋内出血・脳浮腫・水頭症などで起こる。初めのうちは視力が落ちないことが多く、慢性の頭痛にうっ血乳頭が加わったら、頭の中の病変を疑って画像検査につなぐ。
- 1
舌癌〈tongue cancer〉不正解
舌癌は口の中にできる癌で、頸部リンパ節への転移や痛み、食べにくさをきたす。頭蓋内圧を上げる病態ではなく、眼底の所見とは関係しない。
- 2
貧血不正解
貧血では眼瞼結膜が蒼白になる。高度になると網膜出血が出ることはあるが、乳頭がうっ血して腫れるわけではない。
- 3
門脈圧亢進不正解
門脈圧亢進でふくらむのは門脈系の側副血行路である。食道・胃静脈瘤、腹壁静脈怒張、痔核、脾腫、腹水が特徴で、視神経乳頭は門脈系とつながっていない。
- 4
頭蓋内圧亢進正解
正しい。頭蓋内圧が上がって視神経鞘の中の圧も高まり、乳頭がむくむ。頭痛・嘔吐とあわせた3徴として問われやすい。
📚 一緒に確認しよう
頭蓋内圧亢進が進むと、循環と呼吸にも変化が現れる。
- 3徴=頭痛・嘔吐(噴出性)・うっ血乳頭。頭痛は早朝に強い
- クッシング現象=血圧の上昇(脈圧が広がる)+徐脈。脳ヘルニアが迫っているサイン
- 意識レベルの低下、瞳孔の左右差、対光反射の消失は脳ヘルニアを示し、緊急である
- 頭蓋内圧亢進が疑われるとき、腰椎穿刺は脳ヘルニアを起こすため原則禁忌
- 治療は頭部の挙上、浸透圧利尿薬、原因となっている病変の除去
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について