第114回 看護師国家試験 午後 問12 解説
📝 問題
胆汁の作用はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 胆汁は脂肪を乳化して消化と吸収を助ける。
胆汁は肝細胞でつくられ、胆嚢で濃縮されたのち十二指腸へ出される。主成分は胆汁酸・ビリルビン・コレステロールなどで、消化酵素は含まれていない。
胆汁酸は洗剤のように働き、大きな脂肪のかたまりを細かい粒に分ける(乳化)。表面積が広がることで膵リパーゼが働きやすくなり、脂肪の分解と吸収が進む。脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収にも胆汁は欠かせない。
- 1
脂肪の乳化正解
正しい。胆汁酸が脂肪を細かい粒に分け、リパーゼが働きやすくする。
- 2
蛋白質の分解不正解
蛋白質を分解するのは胃のペプシンや膵液のトリプシンなどの酵素で、胆汁には含まれない。
- 3
胃酸分泌の促進不正解
胃酸の分泌を促すのはガストリンなど。胆汁はアルカリ性で、むしろ胃酸を中和する側に働く。
- 4
炭水化物の分解不正解
炭水化物を分解するのは唾液や膵液のアミラーゼ、小腸の二糖類分解酵素。胆汁に糖質の分解酵素はない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
胆汁は「消化液なのに酵素がない」のが最大の特徴。分解そのものではなく、分解の下準備をすると考えると混同しない。
- 分泌量は1日約600〜800mL
- 胆汁酸の約95%は回腸の終わりで再吸収され肝臓に戻る(腸肝循環)
- 十二指腸に脂肪が入るとコレシストキニンが分泌され、胆嚢を収縮させる
| 消化液 | 産生部位 | 主な成分 | 働き |
|---|---|---|---|
| 唾液 | 唾液腺 | αアミラーゼ | でんぷんの分解 |
| 胃液 | 胃 | 塩酸、ペプシノゲン | 蛋白質の分解、殺菌 |
| 胆汁 | 肝臓 | 胆汁酸、ビリルビン | 脂肪の乳化(酵素なし) |
| 膵液 | 膵臓 | アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、重炭酸 | 三大栄養素の分解、胃酸の中和 |
| 腸液 | 小腸 | マルターゼ、ラクターゼなど | 二糖類・ペプチドの最終分解 |
参考: 系統看護学講座 解剖生理学
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について