第114回 看護師国家試験 午前 問79 解説
📝 問題
過剰に摂取すると試験紙法による尿潜血検査が偽陰性となるのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ アスコルビン酸(ビタミンC)をとりすぎると、試験紙法の尿潜血が偽陰性になる。
試験紙で調べる尿潜血は、ヘモグロビンの働きで発色試薬が「酸化」されて色が変わる、という仕組み。
アスコルビン酸(ビタミンC)は強い還元作用をもつため、この酸化による発色をじゃまする。その結果、実際には血尿があるのに陰性と出てしまう(偽陰性)。
同じ理由でアスコルビン酸は、尿糖や尿ビリルビンも偽陰性にする。サプリメントを飲んでいる患者では、検査前にとったものを必ず確認する。
- 1
葉酸不正解
葉酸は赤血球やDNA〈ディーエヌエー〉を作るのに必要なビタミン。不足すると貧血や胎児の神経管閉鎖障害を起こすが、試験紙の反応には影響しない。
- 2
ビタミンA不正解
ビタミンAは視覚や皮膚・粘膜の維持に関わる。とりすぎは問題になるが、尿潜血の反応はじゃましない。
- 3
ビタミンB1不正解
ビタミンB1は糖の代謝に関わる。不足すると脚気などを起こすが、試験紙の発色には関与しない。
- 4
パントテン酸不正解
パントテン酸は水に溶けるビタミンで、ふつうの食事で不足することはまれ。尿潜血の反応には影響しない。
- 5
アスコルビン酸正解
正しい。強い還元作用で試験紙の発色をじゃまするため、血尿があっても陰性と出る。
📚 国試でよく狙われるところ
採尿は原則早朝第一尿の中間尿を使い、採ったら速やかに検査する。置いておくと細菌が増えて正しく評価できない。
| 項目 | 偽陽性となる要因 | 偽陰性となる要因 |
|---|---|---|
| 潜血 | 月経血の混入、ミオグロビン尿・ヘモグロビン尿、酸化剤の混入 | アスコルビン酸、濃い尿 |
| 糖 | 酸化剤の混入 | アスコルビン酸、細菌が増えて糖が消費される |
| 蛋白 | アルカリ性の尿、消毒薬の混入 | 薄い尿 |
| ビリルビン | — | アスコルビン酸、光による分解 |
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について