第114回 看護師国家試験 午前 問13 解説
📝 問題
心電図波形(別冊No.1)を別に示す。 心室頻拍〈ventricular tachycardia〉はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 幅の広いQRS波が規則的に速く続く④の波形が心室頻拍である。
心室頻拍は、心室から出た異常な興奮による不整脈。心電図では幅の広いQRS(キューアールエス)波(0.12秒以上)が3拍以上続き、心拍数はおよそ100/分以上になる。
刺激伝導系を通らず心筋を直接伝わるので、QRS波は幅が広く、形もいびつになる。
心室細動へ移りうる危険な不整脈で、脈が触れなければ心停止として扱い、直ちに胸骨圧迫と除細動を行う。
- 1
①不正解
①はQRS波の幅は正常だが、拍と拍の間隔がバラバラ。基線が細かく揺れてP波がはっきりしない心房細動の波形。
- 2
②不正解
②は正常な拍のあいだに、幅の広い異常なQRS波が単発で割り込んでいる。心室期外収縮で、3拍以上続いていない。
- 3
③不正解
③は幅の狭いQRS波が規則正しく並び、その前に毎回P波がある。正常な洞調律。
- 4
④正解
正しい。④は幅の広い異常なQRS波が規則的に速く続き、P波は見分けられない。心室頻拍の典型的な波形。
📚 混同しやすいので注意
波形は「QRSの幅」「リズム」「P波の有無」の3点で見分ける。
- 心室細動と心室頻拍は除細動(ショック)の適応。
- 30秒以上続くものを持続性心室頻拍という。
- 記録速度25mm/秒では、太い1マス(5mm)=0.2秒、細い1マス(1mm)=0.04秒。
| 不整脈 | QRS幅 | リズム | P波 |
|---|---|---|---|
| 洞調律 | 狭い | 規則的 | 毎回QRSの前にある |
| 心房細動 | 狭い | まったく不規則 | なし(細かいf波) |
| 心室期外収縮 | その拍だけ広い | 単発で早期に出現 | 先行しない |
| 心室頻拍 | 広い | 規則的で速い | 識別できない |
| 心室細動 | 波形が定まらない | 無秩序 | なし |
参考: 日本蘇生協議会「JRC蘇生ガイドライン2020」/日本循環器学会「不整脈非薬物治療ガイドライン」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について