第113回 看護師国家試験 午後 問77 解説
📝 問題
外傷や風邪で発熱し、解熱するまでの体温のセットポイントと実際の体温(核心温度)の変化の例を図に示す。 全身のふるえが起こるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 全身のふるえは、セットポイントが実際の体温より高い体温上昇期の②で起こる。
発熱では、発熱物質のはたらきで視床下部のセットポイント(体温の目標値)が上がる。 セットポイントが実際の体温(核心温度)より高い間、体は「寒い」と感じて熱を作ろうとし、骨格筋がふるえる。これが悪寒戦慄で、体温がまだ追いついていない上昇期に起こる。図では②が当たる。
体温がセットポイントに追いつく極期ではふるえは治まり、セットポイントが下がる解熱期には発汗で熱を逃がす。 「ふるえ=これから体温を上げる時期」と結びつけて覚える。
核心温度とは
体の深いところの温度。手足の温度と違って外の気温に左右されにくく、体温調節はこの温度を一定に保つように働く。
- 1
①不正解
①は上昇が始まる前後の段階と考えられ、全身のふるえが最も起こる時期ではない。
- 2
②正解
②はセットポイントが上昇し実際の体温がまだ低い上昇期に当たり、ふるえが起こる。
- 3
③不正解
③はセットポイントと実際の体温がほぼ一致する極期に相当し、ふるえは治まる。
- 4
④不正解
④は解熱に向かう時期で、放熱(発汗)が起こりふるえは生じない。
- 5
⑤不正解
⑤は解熱期で、セットポイントが下がり発汗・血管拡張で体温を下げる時期である。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
発熱は、上昇期・極期・解熱期のどれかを当てさせる形で問われる。セットポイントと体温のどちらが高いかで見分けよう。
- 解熱薬はセットポイントそのものを下げるため、投与後は発汗による放熱が起こる
- 熱型=稽留熱(日内変動1℃以内の高熱)/弛張熱(変動1℃以上だが平熱には戻らない)/間欠熱(平熱まで下がる)
- うつ熱はセットポイントが正常のまま放熱が追いつかず体温が上昇する状態で、熱中症などでみられる。熱中症では速やかに冷却する
| 時期 | セットポイントと体温 | 主な症状 | 看護 |
|---|---|---|---|
| 上昇期 | セットポイント>体温 | 悪寒・戦慄、末梢冷感、立毛、皮膚蒼白 | 保温する(掛物・室温調整)。冷罨法は行わない |
| 極期(プラトー) | セットポイント≒体温 | 熱感、顔面紅潮、口渇、倦怠感 | 水分・電解質の補給、安楽な体位、必要時に冷罨法 |
| 解熱期 | セットポイント<体温 | 発汗、皮膚血管拡張 | 寝衣・寝具の交換、清拭、脱水の予防 |
参考: 体温調節の生理(発熱のセットポイントと熱産生・熱放散)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について