第113回 看護師国家試験 午後 問70 解説

一般看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(55歳、虚血性心疾患)は4人部屋に入院している。Aさんは緊急で心臓カテーテル検査を行うことになった。日勤の担当看護師がAさんの検査のために訪室すると、同室の右片麻痺のあるBさん(60歳、脳出血)からトイレに行きたいと声をかけられた。 このときの看護師の行動で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ その場を離れずに別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を依頼する。

Aさんは緊急の心臓カテーテル検査を控えていて優先度が高い。一方、右片麻痺のあるBさんが一人で動けば、転倒や失禁のおそれがある。どちらも後回しにできないので、その場を離れず別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を頼む。これならAさんの検査は遅れず、Bさんも一人にならない。

判断の軸は安全の確保である。応援を要請すれば両方を満たせる場面で、Bさんを残して相談に戻る、どちらかを我慢させるという選び方は、片方の安全を切り捨てることになる。

心臓カテーテル検査とは

手首や足の付け根の動脈から細い管(カテーテル)を心臓の血管まで通し、造影剤で詰まりや狭まりを映す検査。緊急で行うときは、そのまま治療に移ることも多い。

  • 1

    ナースステーションに戻り、リーダーに相談する。不正解

    Bさんをその場に残して戻ると転倒などの危険があり、緊急検査のAさんの対応も遅れる。

  • 2

    Aさんに待つよう説明し、Bさんのトイレ介助を行う。不正解

    緊急検査を控えたAさんを待たせるのは優先度の判断として適切でない。

  • 3

    Bさんに待つよう説明し、Aさんを検査室に移送する。不正解

    片麻痺のBさんを待たせて放置すると転倒・失禁の危険があり不適切である。

  • 4

    その場から離れずに別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を依頼する。正解

    その場を離れず応援を呼びBさんの介助を依頼すれば、両者の安全と優先度を両立できる。

📚 ここも一緒におさえておこう

同時に複数の対応が必要なときは、生命の危険→安全(転倒・誤薬など)→苦痛の緩和→日常生活援助の順に優先順位を考える。どちらも譲れない場面では、一方を切り捨てるのではなく応援を要請して同時に満たす選択肢を探す。

  • 転倒・転落は入院患者のインシデント報告で最も多い。片麻痺のある患者を一人でトイレに向かわせない
  • 業務を委譲するときは「誰に・何を・いつまでに」を明確に伝え、結果を必ず確認する
  • 1人で抱え込まず助けを求めることは、医療安全上の望ましい行動であり弱さではない

参考: 看護におけるマネジメント(優先順位・チーム連携)

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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