第113回 看護師国家試験 午後 問69 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(65歳、男性)はうっ血性心不全の急性増悪で入院し、治療を受けて自宅に退院した。退院後は月1回の外来通院、週1回の訪問看護で生活指導を受け、血圧、体重、労作時の自覚症状について日誌に記録することになった。初回訪問時、Aさんは訪問看護師に「庭で野菜を作るのが趣味です。野菜作りの作業をしていると夢中になって時間を忘れてしまいます」と話した。 訪問看護師のAさんへの助言で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 日誌の記録をもとに、自分で作業量を調整できるよう支援することが適切である。

うっ血性心不全は、体に負担をかけすぎたときと、体に水分がたまりすぎたとき(体液貯留)に悪くなる。Aさんは血圧・体重・労作時の症状を日誌につけている。この記録を手がかりに自分で作業量を加減できるよう支えるのが、趣味を続けながら再増悪を防ぐ道である。

在宅の心不全管理はセルフモニタリングが柱になる。安静にしすぎると体力そのものが落ち、趣味をやめさせれば生きがいを奪う。水分を多くとるのも心不全では逆効果で、かえってうっ血を強める。

うっ血性心不全とは

心臓が血液を送り出す力が落ち、送り切れない血液が肺や全身の静脈にたまった状態。息切れ・むくみ・体重増加として現れる。

  • 1

    「室内で安静に過ごしましょう」不正解

    過度の安静は身体機能の低下を招き、適切な活動を続ける方針に反する。

  • 2

    「野菜を作るのはやめて他の趣味を見つけましょう」不正解

    趣味を一律に禁止するのは生きがいを奪い、心理面にも望ましくない。

  • 3

    「作業の後は30分以内に2L以上の水分を補給しましょう」不正解

    心不全では水分の過剰摂取が体液貯留・増悪を招くため、2L以上の補給は不適切である。

  • 4

    「日誌の記録をもとに自分で作業量を調整できるようにしましょう」正解

    日誌の記録をもとに症状に応じて自分で作業量を調整することは、増悪予防に有効なセルフケアである。

📚 ここも一緒におさえておこう

心不全の在宅療養では、悪化のサインに本人が気づけるかと、動きすぎ・動かなさすぎの加減が問われる。

  • 3日で2kg以上の体重増加はうっ血の早期サイン。医師・訪問看護師に連絡する
  • 増悪因子=塩分・水分の過剰、怠薬、感染、過労、不整脈、貧血、非ステロイド性抗炎症薬
  • 心不全手帳などに体重・血圧・脈拍・浮腫・息切れを毎日記録し、自己調整の手がかりにする
  • 過度の安静はフレイル・筋力低下を招く。症状に応じた心臓リハビリテーションが推奨される
NYHA心機能分類
分類身体活動の制限
Ⅰ度制限なし。通常の身体活動で症状が出ない
Ⅱ度軽度の制限。通常の身体活動で疲労・動悸・呼吸困難・狭心痛が出る
Ⅲ度高度の制限。通常以下の軽い活動でも症状が出る
Ⅳ度安静時にも症状があり、わずかな活動で増悪する

参考: 慢性心不全の在宅療養・セルフケア支援

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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