第113回 看護師国家試験 午後 問39 解説
📝 問題
創傷処置について適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 感染徴候のない創傷は、消毒せずに洗浄する。
いまの創傷管理は、乾かさずに適度な湿り気を保つ湿潤療法が基本である。感染徴候のない創傷では、消毒薬が細菌だけでなく治癒にはたらく細胞まで傷つけてしまうため、消毒はせず生理食塩水や水道水で洗い流す。
ほかの3つは、湿潤環境を保つことと、皮膚を傷つけないことに反する。ドレッシング材は創より広めに貼って湿り気を保ち、肉芽ができてきた時期は水圧を弱めて洗う。テープは持ち上げるように剝がすとスキンテア(皮膚裂傷)を招くため、皮膚に沿ってゆっくり剝がす。
肉芽とは
傷が治る途中でできる、赤くつぶつぶした新しい組織。毛細血管に富み、傷のくぼみを埋めていく。
スキンテアとは
こすれや引っぱりで皮膚がめくれるように裂ける傷。皮膚が薄くなった高齢者に起こりやすく、テープをはがすときは特に注意する。
- 1
ドレッシング材は創部の辺縁に合わせて貼付する。不正解
ドレッシング材は創部の辺縁ぴったりではなく、創より広めに貼付して湿潤環境を保つ。
- 2
肉芽形成の時期は強い水圧をかけて洗浄する。不正解
肉芽形成期に強い水圧をかけると肉芽組織を傷つけるため、やさしく洗浄する。
- 3
感染徴候のない創傷の消毒は不要である。正解
感染徴候のない創傷は消毒不要で、生理食塩水や水道水による洗浄が基本である。
- 4
テープは皮膚から垂直方向に剝がす。不正解
テープは皮膚から垂直に剝がすと皮膚損傷を招くため、皮膚に沿って水平方向にゆっくり剝がす。
📚 ここも一緒におさえておこう
創傷は、治癒の3つの時期と、治りを妨げる因子がセットで問われる。
- 創傷治癒を妨げる因子は低栄養(低アルブミン)・高血糖・低酸素・感染・ステロイド使用・喫煙など
- 一次治癒は縫合した創がそのまま癒合するもの、二次治癒は開放創が肉芽で埋まって治癒するもの
| 時期 | 期間の目安 | 主な現象 |
|---|---|---|
| 炎症期 | 受傷〜3日ごろ | 止血、好中球・マクロファージによる異物処理、発赤・腫脹 |
| 増殖期 | 3日〜2週ごろ | 線維芽細胞のコラーゲン産生、毛細血管新生、肉芽形成、上皮化 |
| 成熟期(リモデリング) | 2週〜数か月以降 | 瘢痕の再構築と収縮、強度の増加 |
参考: 創傷管理の基本(湿潤療法)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について